ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

『友だち』(1)〜(6)(ドラマ)

友だち (1)〜(6)(1987年・NHK)
演出:深町幸男、一井久司
脚本:山田太一
出演:倍賞千恵子、河原崎長一郎、井川比佐志、菅井きん、うつみ宮土理、内海桂子、小松政夫、下條正巳

キャラが立ってる

b0189364_21521318.jpg 山田太一の不倫三部作(『岸辺のアルバム』、『夕暮れて』、本作)の1本。不倫三部作というのは僕が勝手につけたもので、しかも本作については不倫かどうかは怪しいところ。だがそれぞれの作品ごとにアプローチが違うため(それぞれ実行、未遂、意図なし)どれも面白く、見応えがある。このドラマは今回で見るのが3回目である(放送時、CSでの再放送時、今回)。
 既婚の中年男女(倍賞千恵子と河原崎長一郎)がふとしたきっかけ(この場合はバードウォッチングだが)で知り合って、家族に内緒で密会するようになるが、女の方が、肉体関係が一切ない状態で友だち関係を維持したいと主張するというあたりがこのドラマのミソで、他の不倫ドラマと大きく異なるところ。そこから双方の家族を巻き込んでいくというストーリーになる。
 考えようによってはちょっと無理があるような設定ではあるが、話の流れが自然でしかも登場人物が魅力的なので、不自然さはまったく感じない。主人公の女性が主張すること(日常の立場から離れて1人の女として見られたい、だからときどきよその男と会いたい、ただし家庭を壊すつもりはない、というもの)は、少し身勝手な感じもするが一応筋は通っている。もちろん筋は通っていても理屈通りに行かないのが人間で、その辺の葛藤がこのドラマのモチーフになる。
 こういう問いかけにはなかなか明確な回答が出せないため、ドラマは最後のあたりは少々うやむやな感じで終わるが、見応えのある力作であることは間違いない。何よりもキャスティングが非常に面白く、それぞれのキャラクターがリアルで個性的である。セリフも山田ドラマらしく大変味わいがある。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『「早春スケッチブック」、「夕暮れて」など(ドラマ)』
竹林軒出張所『今朝の秋(ドラマ)』
竹林軒出張所『冬構え(ドラマ)』
竹林軒出張所『山田太一のドラマ、5本』
竹林軒出張所『続・山田太一のドラマ、5本』
竹林軒出張所『修羅の旅して(ドラマ)』
by chikurinken | 2017-02-10 06:51 | ドラマ
<< 『夕暮れて』(1)〜(6)(ドラマ) 『家へおいでよ』(1)〜(6)... >>