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竹林軒出張所

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『塾講師にだまされるな!』(本)

b0189364_20402383.jpg塾講師にだまされるな!
黒い講師著
主婦と生活社

教育もブランド化

 中学受験塾の講師が、この手の塾の内情を暴いた本。
 実際に担当している生徒の例を具体的に紹介しながら塾講師の日常を描くという内容で、元々はブログだそうだ。塾講師が親をどのように乗せて金を使わせるかという戦略が紹介される他、生徒の親が現状を適確に把握できず、子どもに無理な難関校を目指させるような状況も描かれる。親に金を出させる(つまりは個別授業を増やす)方法は、見方によってはあくどいとも言えるが、あちらもビジネスであるから、第三者的には別に問題あるとは思わない。それよりも、見栄のせいか知らないが親が異常に子どもの中学受験に肩入れする姿が、端で見ていてあまりにバカバカしく感じられる。多くの親が名門中学入学がゴールのように考えているフシがあるのもどうかと思う。中学なんて公立で良いだろうと思うが、親、そして親からいろいろと吹き込まれた子どもが、極度の学校ブランド志向になっているのか、かなり異常な世界が展開されている。試験直前になると親たちが異常な姿を見せ始めるのもはなはだ奇異で、目も当てられない状況に映るが、そういう状況を世の中に紹介しているという点で、意味のある本かも知れない。
 ただ、「バカ親」とか「バカ生徒」とか、差別的な表現が多く、読んでいて結構不快な気分になる。確かに愚かな人々ではあるが、こういった高飛車な態度で臨むのが正しいのか、少なくとも公の場でこういう表現を使うことが良いことなのか、考えた方が良いんじゃないかと思うが如何。読んでいてなんだかこちらが「バカ」だと言われているような気がしてならないが、そんな俺がバカなのか? それにどことなく、いろいろな問題点を前にして著者が開き直っているような感じも受ける。そういうわけで、この著者にもこの本にもシンパシーは感じない。
 それはさておき、中学受験周辺のおかしくももの悲しい様子がよくわかって、それについては収穫と言える。関係者もいい加減こんなくだらない状態から脱却したら良さそうなものだが、一方でこういう傾向を助長する著者みたいな立場の人がいるのも事実。まあ、受験サービスの利用者も、その利用者を利用する受験サービス側も持ちつ持たれつの関係ってことなんだろう。
★★★

参考:
竹林軒出張所『督促OL 修行日記(本)』
竹林軒出張所『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。(本)』
竹林軒出張所『オタ中国人の憂鬱(本)』
by chikurinken | 2017-01-27 07:39 |
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