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竹林軒出張所

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『ベルリン・天使の詩』(映画)

ベルリン・天使の詩(1988年・独仏)
監督:ヴィム・ヴェンダース
脚本:ヴィム・ヴェンダース、ペーター・ハントケ
出演:ブルーノ・ガンツ、ソルヴェーグ・ドマルタン、オットー・ザンダー、クルト・ボウワ、ピーター・フォーク

「天使、コロンボ、ブランコ」をお題にした
三題噺のような作品


b0189364_20443793.jpg 88年当時のベルリンの社会を天使の目で描いた映画。空中ブランコや刑事コロンボ(ピーター・フォーク)が登場するなど、やや混沌とした風景ではあるが、映像は最初から最後まで、概ねモノクロ(一部カラー)の落ち着いたものである。ストーリーも分かりやすくはなっているが、伝えられる情報が著しく少ないため、見方によっては退屈する、あるいは眠くなる。余裕のあるときにゆったりした気分で見れば良いというタイプの映画である。
 映画の中では事件らしい事件もなく、悪人も出てこず、そういう意味ではどことなく小津映画を彷彿させる要素がないわけではない(小津映画との類似性はあまりないが)。もっとも監督のヴィム・ヴェンダースが小津ファンであることも有名で、この映画の最後にも「安二郎、フランソワ、アンドレイに捧ぐ」と字幕が出るほどである。この映画にほのぼのした味わいがあるのは、あるいは小津映画の影響かも知れない。
 ストーリー自体は、少々とってつけたような感がなきにしもあらずで、さながら三題噺であるかのような話である。タイトルにも示されているが、全編「詩」的なフレーズが語られるため、文学的な趣味のある人には堪らないかも知れない。
1987年カンヌ国際映画祭監督賞受賞
★★★

参考:
竹林軒出張所『小津安二郎・没後50年 隠された視線(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2017-01-20 07:44 | 映画
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