ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

『ドラゴン怒りの鉄拳』(映画)

ドラゴン怒りの鉄拳(1971年・香港)
監督:ロー・ウェイ
脚本:ロー・ウェイ
出演:ブルース・リー、ノラ・ミヤオ、ロバート・ベイカー、ジェームズ・ティエン、橋本力

見所はブルース・リーのアクションのみ

b0189364_7431018.jpg 上海日本人租界で日本人に虐げられている中国人が、不当に虐げる日本人を成敗するという復讐譚。
 中国人の武術道場の師範が殺され、その事件に日本人の武術道場が絡んでいることが後にわかり(しかもこの道場、自らの犯行を誇示しているかのように、ご丁寧に中国の道場をやたら挑発する)、そこへ中国道場に所属する武術の達人(というより超人)チェン(ブルース・リー)が1人で殴り込みをかけ、全員を大虐殺するというストーリー。言ってみれば、昨今中国でよく放送されているという抗日ドラマの類のストーリーで、内容は荒唐無稽。しかも背景が正確に描写されていないため、状況がよくわからない。ウィキペディアで調べてみると、1909年清朝末期の話だということで、租界では外国人が治外法権みたいなものを振りかざして好き勝手に振る舞っていたらしい。こういう事情については、香港の観客は公開時にすぐに理解できたのかも知れないが、外国で上映する上ではある程度の説明を最初に入れておくなどの工夫が必要だと思う(入るには入っていたようだがしっかりした説明になっておらずよくわからなかった)。
 ストーリーとか細部の演出は低レベルで、唯一の見所はブルース・リーの格闘シーンであるが、これはそれなりに面白くはある。僕は劇場公開時にこの映画を見たんだが、そりゃあ当時の子どもはみんなブルース・リーの真似をしていたもので、特にヌンチャクを使ったアクションは秀逸で、おそらくこの映画が元祖ではないかと思われる。ただし格闘シーンは、日本の大衆時代劇でも同様だが、主人公中心に世界が廻るようなものでリアリティがまったくなく、見ているうちにあほくさくなる。主人公が超人でも良いんだが、そこには何らかの説得力がないと結局子供だましで終わってしまう。で、この映画も、こちらが老成した今見ると、結局「子供だまし」で終わっていることがわかるのだ。
 今回、ブルース・リーの映画は他にも何本か見る予定だったが、どれもストーリーは似たようなものだし、もう見なくて良いだろうという結論に達した。なお、この映画には、若き日のジャッキー・チェンが端役とスタントで出演しているそうだ(まったく気が付かなかったが)。また悪い日本人の親玉、鈴木を演じるのは、大魔神俳優(大魔神の着ぐるみの中に入っていた役者)の橋本力である。
★★★

参考:
竹林軒出張所『昭和残侠伝 唐獅子牡丹(映画)』
竹林軒出張所『昭和残侠伝 死んで貰います(映画)』
竹林軒出張所『ザ・ヤクザ(映画)』
竹林軒出張所『大魔神甦る』
by chikurinken | 2017-01-18 07:43 | 映画
<< 『ベルリン・天使の詩』(映画) 『免許がない!』(映画) >>