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竹林軒出張所

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『レナードの朝』(映画)

レナードの朝(1990年・米)
監督:ペニー・マーシャル
原作:オリヴァー・サックス
脚本:スティーヴン・ザイリアン
出演:ロビン・ウィリアムズ、ロバート・デ・ニーロ、ジュリー・カヴナー、ルース・ネルソン、ジョン・ハード、ペネロープ・アン・ミラー、デクスター・ゴードン

ハリウッド映画の良い部分が出た映画

b0189364_952459.jpg 実話を基に再構築した映画。セイヤー(ロビン・ウィリアムズ)という医師が赴任した精神病院で、脳炎の後遺症のために寝たきりで周囲の刺激に対する反応がなくなっている患者、レナード(ロバート・デ・ニーロ)に対して、パーキンソン病の治療薬を投与して人格を取り戻そうとするというストーリー。
 非常にわかりやすく、エンタテインメント的な起伏も感動もあって、しかもテンポが非常に良いというハリウッド映画の良い部分が存分に発揮されている映画である。何より主演の2人の芸達者ぶりが目を引き、そのためもあって非常に質の高い映画に仕上がっている。中でもロバート・デ・ニーロの演技には凄みを感じる(今さらながらではあるが)。
 実話が基になってはいるが、実際には本当の話と大分異なるあくまで「フィクション」の映画ということで、すべてが実話と考えるのは無理があるらしい。ただ、そのあたりを割り切って思い切りよく脚色しているせいか、感動的な要素も十分盛り込まれており、しかも医師の人生、患者の人生、患者の家族の人生などが適度に絡んでストーリーに厚みを出している。もっともこの話が事実でないのなら感動も半減することになるが、それはそれとして楽しんだら良い。
 ジャズのサックス奏者、デクスター・ゴードンが患者役として登場していたのが新鮮な驚きではあったが、よくよく考えるとこの人、映画『ラウンド・ミッドナイト』で主役をはったりもしているんで、役者としてど素人というわけではないのだった。映画の中ではピアノを披露しているが、エキストラのような立ち位置でセリフはほとんどない。なお、デクスター・ゴードン、この映画の撮影直後に亡くなっている。この映画が遺作ということになる。
第63回アカデミー賞作品賞、主演男優賞、脚色賞受賞
★★★★

参考:
竹林軒出張所『いまを生きる(映画)』
竹林軒出張所『ディア・ハンター(映画)』
by chikurinken | 2016-12-29 09:53 | 映画
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