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竹林軒出張所

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『ワーテルロー』(映画)

ワーテルロー(1969年・伊ソ)
監督:セルゲイ・ボンダルチュク
脚本:セルゲイ・ボンダルチュク、H・A・L・クレイグ、ヴィットリオ・ボニチェリ
音楽:ニーノ・ロータ
出演:ロッド・スタイガー、クリストファー・プラマー、オーソン・ウェルズ、ジャック・ホーキンス

b0189364_812613.jpg再現ドラマで終始した

 一度は失脚したフランス皇帝ナポレオンが、エルバ島から脱出して再び皇帝の座に付き再び連合国に戦いを挑んだのが、世に言う「ワーテルローの戦い」である。結果は、劣勢だったイギリス軍にプロイセン軍が合流したことで戦局が変わり、結果的にフランス軍が大敗するというもので、その後ナポレオンはセントヘレナ島に流されてそこで一生を終える。
 映画では、ナポレオンが退位しエルバ島に流されるところから話が始まる。その後、ダイジェスト的に話が進んで、ハイライトであるワーテルローの戦いになだれ込むという流れである。全体的にダイジェスト風に話が進められるため、人物像がなかなか伝わりにくく、しかも演技は大ぶりときていて、あまり見るべき部分はない。再現ドラマというレベルを超えておらず、見続けるのがかなり苦痛である。また(ナポレオンとウェリントン以外の)登場人物の区別がまったく付かず、誰が誰だかわからない上、戦場でもどれがフランス軍でどれがイギリス軍かも分からず、一大スペクタクルでワーテルローの戦いが描かれるにもかかわらず、なんだかよく分からない。予備知識があればいざ知らず、戦況がどういう風に進んでいったかもあまり掴めないという有様で、茫洋としたまま終戦、もとい終映を迎えたのだった。
 歴史的な事件が映画で再現されると、マクロ的でしかなかった出来事にミクロ的な視点が加わって、そういう部分が歴史映画の醍醐味で、この映画でもナポレオンが1人の人間として登場し、周りの人間と関わっていく様子がよく分かる。そういう部分は確かに良いんだが、なんだかナポレオンがやたら怒ってばかりで、あまり魅力が伝わってこない。そのためなぜ彼がそれまで成功していたか、なぜ人々に受け入れられてきたかがよく見えてこない。人物像が伝わりにくいというのはこういうことで、ウェリントンにしてもやけに楽観的でリアリティが感じられない。総じて作り物にしか見えない映画に成り下がってしまったのは残念な部分である。相当数のエキストラを動員し、それなりのスケール感を実現しているのは確かだが、面白味がないのは、映画として致命的である。見ていて非常に眠い映画だった。
★★☆

参考:
竹林軒出張所『カラマーゾフの兄弟(映画)』
by chikurinken | 2016-12-26 08:12 | 映画
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