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竹林軒出張所

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『日曜劇場 ばんえい』(ドラマ)

日曜劇場 ばんえい(1973年・北海道放送)
演出:守分寿男
脚本:倉本聰
音楽:冨田勲
出演:小林桂樹、八千草薫、大滝秀治、中村たつ、中村まなぶ

回想を交えた、とある1日の風景

b0189364_737874.jpg タイトルの「ばんえい」とは、輓曳競馬(サラブレッドではない作業馬が1トン近くの荷橇をひいて、砂地の直線200メートルを走る、北海道独特の競馬)を表す。年老いた作業馬が若い馬たちと競って走る姿に主人公の中年男(小林桂樹)が自身を投影するなど、これがドラマの重要なモチーフとして活用されている。
 主人公は、役所勤めを長年続ける不器用な男で、家庭をないがしろにすることや家族に当たり散らすことを家族から暗に責められ、しかもその後高校生の息子に組み敷かれて、その上妻(八千草薫)に助けてもらうという(本人にとって屈辱的な)経験をして自身の衰えを感じるようになる。その一方で自分の来し方にそれなりの思い入れがあり、それを簡単にないがしろにすることはできない。「まだまだ俺だって」という気持ちが強いのである。そんな男のある1日の話がこのドラマのストーリーで、役所をずる休みして妻と輓曳競馬を見に行くというのがストーリーの柱になる。例によって間にさまざまな回想が挿入されるという、倉本日曜劇場の常套手段が使われる。テーマが明瞭であり、これも佳作と言って良い。
 出演は小林桂樹、八千草薫の他、倉本作品常連の大滝秀治が登場。息子役は中村まなぶという少年である。この少年であるが、どこかで見た顔だと思っていたら、後の中村梅雀であることが判明した。道理でね。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『日曜劇場 ああ!新世界(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 ひとり(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 りんりんと(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 幻の町(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 風船のあがる時(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 田園交響楽(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 遠い絵本 第一部、第二部(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 時計(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 聖夜(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 うちのホンカン(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 遅れてきたサンタ(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 スパイスの秋(ドラマ)』
竹林軒出張所『聞き書き 倉本聰 ドラマ人生(本)』
竹林軒出張所『100年インタビュー 倉本聰(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-12-21 07:37 | ドラマ
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