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竹林軒出張所

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『漱石悶々』(ドラマ)

漱石悶々(2016年・NHK)
演出:源孝志
脚本:藤本有紀
音楽:阿部海太郎
出演:豊川悦司、宮沢りえ、林遣都、青柳翔、鈴木杏、六平直政、白井晃、秋山菜津子

漱石晩年のスナップショット

b0189364_20591545.jpg 夏目漱石が、その最晩年に約1カ月間京都に滞在し、そこで祇園の女将に恋をしたというストーリーのドラマ。
 夏目漱石を演じるのは、かつてTBSで太宰治を演じた豊川悦司で、それらしい雰囲気があって大変良い。太宰のときと大違いで、演出によってこうも変わるのかと思う。漱石が恋した女将、多佳は宮沢りえが演じ、こちらも良い雰囲気を醸し出している。津田青楓役の林遣都ら、脇を固める役者も皆うまいので安心して見ていられる。
 このドラマを見ていて『京都人の密かな愉しみ』と雰囲気や音楽がよく似ていると感じたが、案の定、監督と音楽監督が共通である。要するにこのドラマにも彼らの個性が現れているということになるわけで、もはや彼らも巨匠の領域に達しているのかどうだかわからないが、全編彼ららしいユニークな軽いタッチで大変心地良い。b0189364_2059459.jpg 元々は、漱石の日記や手紙を基にしてストーリーを作ったということだが、どこまでが本当でどこまでがフィクションなのかなかなか分かりにくい(このあたりが実は一番気になる所なんだが)。ただ一編のドラマとして見るとよくできていて、シナリオも大変うまくまとめられている。漱石晩年の1つのエピソードを拾い上げたスナップショット的な小品という表現がよく合う、そんな佳作である。先日別のドラマ(竹林軒出張所『夏目漱石の妻 (1)(ドラマ)』を参照)の主人公だった妻の鏡子も「漱石の日常の中の存在」として、強烈な存在感で登場。多佳との対比が絶妙である。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 月夜の告白(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『夏目漱石の妻 (1)(ドラマ)』
竹林軒出張所『漱石の印税帖 娘婿がみた素顔の文豪(本)』
竹林軒出張所『太宰治物語(ドラマ)』
by chikurinken | 2016-12-13 07:01 | ドラマ
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