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竹林軒出張所

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『日曜劇場 スパイスの秋』(ドラマ)

日曜劇場 スパイスの秋(1978年・北海道放送)
演出:長沼修
脚本:倉本聰
出演:大滝秀治、大空真弓、伊藤洋一、松井信子

作りすぎであざとさを感じる

b0189364_2312134.jpg 『東芝日曜劇場』で放送された倉本聰脚本のドラマ。70年代、倉本聰は北海道放送製作のドラマをたびたび書いているが、その後期の1本。その多くは『東芝日曜劇場』用の1時間ドラマで、『うちのホンカン』が代表作である。この頃、『勝海舟』降板問題で失意のまま北海道に移住した後で、当時北海道放送とよく仕事をしているのはその関係である。『前略おふくろ様』が75年作品だから、もうすでに名誉回復した後ではある。
 ドラマは、気象協会に勤める実直な男(大滝秀治)と、ハーブ愛好家にして「ハーブの会」の主宰の妻(大空真弓)、やけに大人びた彼らの子ども(伊藤洋一)の3人家族を軸に進められる。登場する俳優陣は素人みたいな人が多く、気象協会の同僚は多くが実際の北海道気象協会の人たちじゃないかと感じた。「ハーブの会」の奥様方も素人風である(本当の「ハーブの会」みたいな会のメンバーか)。子どもの伊藤洋一による小生意気なナレーションで話が進むが、そのナレーションも『北の国から』を彷彿とさせるようなもので、しかも子どもたちが妙に大人びているのも『北の国から』風。こういう部分に作為を感じてあまり楽しくない。
 ストーリーはさりげない日常風景に過ぎないが、エピソードの1つ1つに作りすぎの感がある。おそらく「当たらない天気予報で大衆に責められる気象官」と「自分で作った会の会長選挙で落選した前会長」というエピソードを軸に作ったドラマなんだろうが、ドラマを作り出すためにひねり出したストーリーという印象で、そのためもあり作為的な感じが至る部分に漂う。今回、過去の倉本作の日曜劇場が「日本映画専門チャンネル」で何本も放送されている(11月だけで10本以上)が、正直この程度のドラマだったら、ことさら見る必要はないと感じた。
 映像は、提供東芝のスーパーが入っていたため、もしかしたら放送時にどこかで録画されたものかも知れない。それを考えると非常に貴重な映像記録であるのは確かだが、内容がそれに伴っていないのは残念な点。他の数本も見てみるつもりだが(特に『ああ!新世界』、これは放送時に見てずっと印象に残っていたドラマなのだ)、この程度のグレードだったらあまり熱心に見る必要もないのかななどと感じてしまった。
★★★

参考:
竹林軒出張所『日曜劇場 ああ!新世界(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 ひとり(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 時計(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 りんりんと(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 幻の町(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 ばんえい(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 風船のあがる時(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 田園交響楽(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 遠い絵本 第一部、第二部(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 うちのホンカン(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 聖夜(ドラマ)』
竹林軒出張所『日曜劇場 遅れてきたサンタ(ドラマ)』
竹林軒出張所『前略おふくろ様(1)〜(26)(ドラマ)』
竹林軒出張所『前略おふくろ様II(1)〜(24)(ドラマ)』
竹林軒出張所『聞き書き 倉本聰 ドラマ人生(本)』
竹林軒出張所『100年インタビュー 倉本聰(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-11-27 07:11 | ドラマ
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