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竹林軒出張所

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『ザ・ヤクザ』(映画)

ザ・ヤクザ(1974年・米)
監督:シドニー・ポラック
原作:レナード・シュレイダー
脚本:ポール・シュレイダー、ロバート・タウン
出演:ロバート・ミッチャム、高倉健、ブライアン・キース、岸恵子、ハーブ・エデルマン、岡田英次

b0189364_5404859.jpgハリウッド版昭和残侠伝

 東映ヤクザ映画がハリウッドに進出したような映画。高倉健がワルモンのところに1人で殴り込みに行こうとして、そこにもう一人の主人公が合流するという設定も、ロバート・ミッチャムを池辺良に置き換えたら『昭和残侠伝』になるわけで、面白いほど東映ヤクザ映画のパターンが踏襲されている。原作のレナード・シュレイダーは、日本の映画にも精通している(というより日本の映画人でもある)ために、意図的にこういうふうにしたんだろうと思われるが、しかし翻案の仕方については見事というほどよくできている。
 この映画のほとんどは日本が舞台であるが、この頃の他のハリウッド映画と違って、日本の描き方に奇天烈さはなく、日本の映画会社が製作した映画と言ってもまったく違和感はない。あちこちに過剰にオリエンタルな演出(バックに琴の音が鳴ったり……しかも五木の子守歌だったりして)もあるにはあるが、スタッフがきちんと取り組んでいるのが見えてくる。ただしストーリー自体は荒唐無稽でどこかご都合主義的である。その辺は東映ヤクザ映画と同じ。高倉健の派手な立ち回りが魅力的なのも共通で、そのあたりが見所である。
 なお高倉健の役名はタナカ・ケン、岸恵子の役名はエイコで、わかりやすいっちゃあわかりやすい。ただ高倉健や岸恵子をよく知っている人が見たら、健がケンで恵子がエイコなんで逆に相当違和感がある。
 見ていて気が付かなかったが「この木なんの木」(日立のCM)のヒデ夕樹がナイトクラブの歌手として出ていたらしい。もっとも元々顔を知らないんで、目にしたところで気が付かなかっただろうが。
★★★

参考:
竹林軒出張所『昭和残侠伝 唐獅子牡丹(映画)』
竹林軒出張所『昭和残侠伝 死んで貰います(映画)』
竹林軒出張所『冬の華(映画)』
竹林軒出張所『追悼 高倉健』
by chikurinken | 2016-11-19 05:41 | 映画
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