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竹林軒出張所

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『彼女のひたむきな12カ月』(本)

b0189364_6294343.jpg彼女のひたむきな12カ月
アンヌ・ヴィアゼムスキー著、原正人訳
DU BOOKS

アンヌの日記

 ジャン=リュック・ゴダールの映画『中国女』に主演した女優、アンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説……ということになっているが、実質的には日記レベルの文章である。
 1966年、ロベール・ブレッソンの映画(『バルタザールどこへ行く』)に主演した著者であるが、その後スタジオなどでゴダールと何度か顔を合わせた後、著者がゴダールに出したファンレターがきっかけとなり、ゴダールが猛然と著者にアプローチするようになる。時に著者19歳、ゴダール、バツイチの36歳!
 なんやかんやあって二人は付き合うようになり(ほとんど淫行)、その後ゴダールが監督した『中国女』でアンヌが主演するという「監督-女優」の関係を間に挟んで、やがて結婚する。この間約1年で、その過程を時系列で書いたものがこの小説。先ほども言ったが、出来事をそのまま並べて、自分がどう思ったとかそういったことを書いているため、日記の範疇を出ない。書かれている内容は、映画ファンにはたまらないものかも知れないが、小説として読むとさして面白くない。そういうわけで史料的価値だけかな、と感じた。
 ただし「あとがき」みたいな部分で山内マリコって人が本書について解説しているものを読むと、もう少し別の視点もあるようで、結局のところ何が得られるかは読む人に委ねられるということになるのかも知れない。僕自身はさして面白さを感じなかったと書くのが正確だろう。
★★★

参考:
竹林軒出張所『中国女(映画)』
竹林軒出張所『軽蔑(映画)』
竹林軒出張所『華氏451(映画)』
by chikurinken | 2016-11-16 06:30 |
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