レッド・オクトーバーを追え!(1990年・米)
監督:ジョン・マクティアナン
原作:トム・クランシー
脚本:ラリー・ファーガソン、ドナルド・スチュワート
出演:ショーン・コネリー、アレック・ボールドウィン、スコット・グレン、サム・ニール
舞台が潜水艦ではあるが
結局はハリウッド映画だ
スリルとサスペンスの潜水艦アクション。25年前に原作を文庫本で読んだが、結局
上巻だけで飽きてしまい、結末を知らない。それで今回映画を見ることにした。旧ソ連の原子力潜水艦「レッド・オクトーバー」が消息を絶つというところから話が始まるんだが、そう言えば似たような話がマンガにもあったような気がする(もしかしたらこの作品がヒントの源泉なのか)。
原作を読んだときはあまり気にならなかったが、今回映画を見てみて、結構ご都合主義的なストーリーで少しあほくさいと感じた。もちろんディテールはある程度しっかり描かれている(と思う)が、それにしても「米=善、ソ連=悪」みたいな描き方は単細胞で幼稚な印象を与える。ハリウッド的と言えばそれまでなんだが。
ハリウッド映画らしく、(特に後半)スリリングな展開になるが、これもハリウッド映画らしく概ね結末が読める。あくまでエンターテイメントとして見るべき映画なんだろう。ただこういった勧善懲悪話を無邪気に楽しめるかというと、皮肉な人生を重ねてきたこの僕にとってはそれほどことが単純ではないのだった。
★★★
参考:
竹林軒出張所『旧ソ連 原子力潜水艦の末路(ドキュメンタリー)』