ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

『書を捨てよ町へ出よう』(映画)

b0189364_224792.jpg書を捨てよ町へ出よう(1971年・ATG)
監督:寺山修司
原作:寺山修司
脚本:寺山修司
美術:林静一、榎本了壱
出演:佐々木英明、斎藤正治、小林由起子、平泉征、森めぐみ、丸山明宏、新高恵子、浅川マキ

退屈で見続けるのが苦痛

 寺山修司が初めて監督した長編劇映画(ということになっている作品)。原作は同名タイトルの評論集。
 内容は寺山修司らしく、アングラ演劇色が非常に強い。メインのストーリーらしきものがあって、そこにいろいろなイメージ・ショットを織り込んでいくという手法で、面白い部分もある。また主人公がカメラ(つまり観客)に向かって挑発的なことを言ったりするのもユニークである。ただ2時間以上これを見せられると、飽きてきてかなり疲れるのも確かである。僕など最初の5分で眠ってしまった(その後見直したが)。映画が閉じた空間で一方的に垂れ流される媒体である(あった)ことを考えると、これは苦痛以外の何ものでもない。今みたいにビデオで早送りしたり巻き戻したりできれば一つの芸術媒体としてありかも知れないが、それでも見終えるには苦痛を伴う。寺山修司の映画は、これまで何本か見ているが概ねこんな感じで、この時代、こういった類の(観客を無視したような)映画が他にも結構あったが、今の時代に受け入れられるかは疑問である。寺山修司や60〜70年代のアングラ演劇に関心のある向きには良いかも知れない。
 出演者は、主役が佐々木英明という寺山修司に風貌の似た若者で、おそらく素人ではないかと思うが、その他にも素人、あるいは天井桟敷の劇団員みたいな人々が大挙出演している。プロらしい演技をするのは(非常に若い)平泉征くらいである。異色のキャストは丸山明宏と浅川マキ、それからクニ河内(気が付かなかったが)。最後に出演者、関係者のアップが流れるのも独特で、すべてがアングラ演劇風。言ってみれば映像詩であり、一般的な映画とは違った見方が必要かなと思う。
第14回サンレモ映画祭グランプリ受賞
★★☆

参考:
竹林軒出張所『初恋・地獄篇(映画)』
竹林軒出張所『寺山修司からの手紙(本)』
by chikurinken | 2016-10-27 06:46 | 映画
<< 『女子ーズ』(映画) 『快刀乱麻』を聴く >>