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竹林軒出張所

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『快刀乱麻』を聴く

b0189364_928133.jpg 竹林軒出張所『内田喜郎と快刀乱麻』のところでも書いたように、かつて『新十郎捕物帖・快刀乱麻』というドラマがあった。1973年から74年に全26話が放送されたもので、前にも書いたようにスタッフもキャストもユニーク、演出も非常にユニークなドラマだったが、残念ながら最終回以外映像が残っていない。最終回は以前その一部が『テレビ探偵団』というバラエティ番組で放送されたが、めったにお目にかかれない。もしかしたら視聴者が個人的に録画したものが残っていて、それが出てくる可能性もないことはない(『同棲時代』のように)が、あまり期待できそうにない。しかし音声ならば一部残っていた。ASKDFHJOEIHという人がYouTubeに現時点で2話分アップロードしてくれていて、それを聴くことができる。2話分といってもどちらも一部であるが、そんな贅沢は言っていられない。何しろまったく残っていないんだから。
 そのうち第21話「鳥と鳥とをとりちがえ」(YouTube:快刀乱麻 第21話「鳥と鳥とをとりちがえ」)は36分間分収録されていて、これがあのドラマの味をよく伝えてくれる。花紀京の泉山虎之介と植木等の花逎家因果、河原崎長一郎の古田巡査が非常に良い味を醸し出している。若林豪の結城新十郎は原作と大分イメージが違うが、池部良の勝海舟はドンピシャリ。愛人のお馬さん役をやっていたりするのも良いし、虎之介との掛け合いも抜群に面白い。難を言えば、冒頭部分がないため、ドラマで起こった事件の概要がわかりにくいという問題はあるが、やはり致し方ない。聞けるだけありがたいってもんだ。
 もう一方の第23話「唐獅子牡丹に血汐がボタン」(YouTube:快刀乱麻 第23話「唐獅子牡丹に血汐がボタン 」新十郎の謎解き)の方は最後の5分だけで、ストーリーはなんだかよくわからないが、ドラマの雰囲気はよく伝わってくる。泉山虎之介と花逎家因果の掛け合い、虎之介と勝海舟の掛け合いが楽しく、このドラマの魅力の一端がわかる。
 なお、唯一残っている最終回については、『テレビ探偵団』で紹介された部分のみ、YouTubeで見ることができる(YouTube:快刀乱麻最終回)。これは放送当時見た記憶があるが、歌を担当してた内田喜郎の奥さんのリクエスト投稿に基づいて紹介されたものである。適当に編集しているので全体像は見えてこないが、結城新十郞が原作のイメージとまったく違う任侠の人になっているのが少々気恥ずかしい。だが映像はこれだけしかないんだからやむを得ない。ただ最終回は他の回と雰囲気が違っていたような印象があるので、これがドラマ『快刀乱麻』だと言うと少し違うような気がする。何しろ残っていないんだからしようがないが。
 この70年代前半というのは、ともかくカラービデオテープの使い回しが多かったせいで、当時作られたドラマはその多くが失われている(竹林軒出張所『同棲時代(ドラマ)』を参照)。だから結局は、映像や音源が残っているかどうかは視聴者頼りということになる。今回『快刀乱麻』の音源だけでも聴けたのは大変ラッキーだったと言えるわけで、今後もこのような資料が出てくることを期待しつつも、一方であまり期待できないなーとも思う。とりあえずこのドラマの音声を投稿してくれたASKDFHJOEIH氏には感謝である。

参考:
竹林軒出張所『内田喜郎と快刀乱麻』
竹林軒出張所『明治開化 安吾捕物帖(本)』
竹林軒出張所『同棲時代(ドラマ)』
Wikipedia:「新十郎捕物帖・快刀乱麻」
竹林軒出張所『さらば国分寺書店のオババ (1)〜(10)(ラジオドラマ)』

by chikurinken | 2016-10-25 07:39 | ドラマ
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