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竹林軒出張所

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『取材ディレクターが語る18のアザーストーリーズ』(本)

テレビ東京「YOUは何しに日本へ?」公式本
取材ディレクターが語る18のアザーストーリーズ

テレビ東京編
辰巳出版

b0189364_825459.jpg僕は何でこの番組を?

 テレビ東京で放送されているバラエティ番組『YOUは何しに日本へ?』についてはかつてこのブログでも書いたが(竹林軒出張所『アドリブの相乗効果 - 「YOUは何しに日本へ?」が面白い』)、すごいのは放送が始まって3年経つにもかかわらず、一向にそのパワーが落ちていないことである。毎回存分に楽しむことができるという、今どき珍しい稀有なバラエティ。もちろん「国際空港で外国人にインタビューして面白そうなら付いていく」という単純な構成なので、いずれはワンパターンになるのは目に見えているが、今でも最初の面白さを維持しながらしかも素晴らしい登場人物を発掘してくるのは、ひとえに来日する外国人旅行者(番組では「YOU」と呼ぶ)のユニークさもさることながら、製作者側の真摯さと番組コンセプトのブレのなさのたまものであろう。
 これまで数々の面白いYOUたち(本来YOUは単複同型だが番組ではこのように表現する)が登場し、そのエピソードも多岐に渡る。自転車旅、徒歩旅、ヒッチハイクから、アイドルになりたい少女(実際になった!)やアイドル・オタク、武術の修行で来日する者、TBSの『SASUKE』に出場する人(この回はTBSのスタッフも登場するなど異色の展開になった)など、まあいろいろである。よくこういう人を見つけ出してきたなというほどの充実ぶりで、今このコンセプトは『世界!ニッポン行きたい人応援団』という番組でも引き継がれていて、こちらの番組にも面白YOUが登場する。こういう番組の一番面白い点は、我々日本人が日頃何気なく見ているものごとが、異なった視点からあぶり出されるという点で、日本人は優しいとか親切だとか言われるが、こういうこともこの『YOUは何しに』を見ていると実感できる。もちろん日本のあまり良くない面もあぶり出される。
 この本は、『YOUは何しに』のスタッフたちが過去の取材経験(全18件)についていろいろと書いたものを集めたもので、おそらく番組を見ていない人にとってはあまり興味を引かれるものではないかも知れない。しかし僕みたいに今までほとんどの回を見てきたという人間にとっては、数々のエピソードの裏話や登場人物たちの性格などが見えてきて、非常に楽しく読むことができる。どのエピソードも概ね記憶に残っているものであったため、過去の記憶が呼び起こされて2倍楽しむことができたのも◎。
 それにしてもこの番組、取材ディレクターが19人もいるとは驚きである。見た顔もあるが、ほとんど見覚えのない顔もある。もっとも、ディレクターが頻繁に顔を出すような番組ではないんであるが。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『アドリブの相乗効果 - 「YOUは何しに日本へ?」が面白い』
by chikurinken | 2016-10-22 08:03 |
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