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竹林軒出張所

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『ハムレット』(映画)

ハムレット(1948年・英)
監督:ローレンス・オリヴィエ
原作:ウィリアム・シェイクスピア
脚本:ローレンス・オリヴィエ
撮影:デスモンド・ディキンソン
出演:ローレンス・オリヴィエ、ジーン・シモンズ、ベイジル・シドニー、アイリーン・ハーリー、フェリックス・アイルマー

シェイクスピアの魅力を堪能できる映画

b0189364_7201195.jpg シェイクスピアの『ハムレット』の映画化。過去何度も映画化されているが、おそらくこれが決定版ではないかという作品である。監督、主演はシェイクスピア俳優のローレンス・オリヴィエで、モノクロ画像で少しばかり舞台風のしつらえになっているが、シェイクスピア劇の映画化ということを考え合わせると実にふさわしい趣向である。また演劇の映画化に往々にして見られるような、俳優の大げささやわざとらしさが残って見ていて気恥ずかしくなるような仰々しさもなく、演劇的でありながら割合自然に進行していく。そういう点で非常によくできていると思った。終わりの方ではハラハラドキドキするようなシーンもあり、単純に映画として見ても優れている。
 映像は、先ほども言ったように全体的に演劇的ではあるが、カメラがよく動くなど、映画的な面白さも取り込まれている。演劇の映画化は、企画をぶち上げた割にはあまりうまく行っていないというようなケースも多く、それを考えると演劇の映画化の見本と言っても良い作品に仕上がっていると思う。
 実は僕自身、『ハムレット』は読んだことがなく、今回、原作を読む代わりに評判が高いこの作品を見てみようと思った次第。セリフは有名なものもあるが、どのセリフも非常に詩的で、これがシェイクスピアの魅力なのかと感じた。
 難点は、今回見たDVDの映像が劣化していてフィルムにブレがあったことで、おかげで非常に見づらかったことを指摘しておく。ただし本作についてはデジタルニューマスター版とかいうバージョンも出ているので、そちらを見ればもう少しきれいな映像を堪能できるのではないかと思うが、実際に見たわけではないので本当のところはわからない。とは言うものの、作品自体は、非常に質の高い教科書のような映画であることは変わりない。
1948年アカデミー作品賞、主演男優賞受賞
ヴェネチア国際映画祭グランプリ受賞
★★★★

参考:
竹林軒出張所『レベッカ(映画)』
竹林軒出張所『スパルタカス(映画)』
竹林軒出張所『シェークスピアの正体(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『もうひとりのシェイクスピア(映画)』
竹林軒出張所『蜘蛛巣城(映画)』
by chikurinken | 2016-10-03 07:21 | 映画
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