ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

『浪花の恋の物語』(映画)

浪花の恋の物語(1959年・東映)
監督:内田吐夢
原作:近松門左衛門
脚本:成沢昌茂
出演:中村錦之助、有馬稲子、田中絹代、片岡千恵蔵、千秋実、東野英治郎、浪花千栄子、白木みのる

湿っぽすぎてついていけない

b0189364_7455665.jpg 近松門左衛門の『冥土の飛脚』(『恋飛脚大和往来』)が原作の映画で、忠兵衛を中村錦之助、梅川を有馬稲子が演じる。
 元禄の大坂が舞台で、浄瑠璃をそのまま映画に移したという感じの映画だが、ところどころに近松門左衛門(片岡千恵蔵)自身が登場して、梅川忠兵衛の事件を目の当たりにする(そしてそれを劇化する)という趣向である。この事件というのは、飛脚問屋の養子、忠兵衛(中村錦之助)が、花魁の梅川(有馬稲子)に入れ込んでしまい、彼女を身請けするために公金を横領するというもので、犯罪が露見した後2人は逃亡したが、心中に至る前に掴まってしまう。
 雰囲気は原作を踏襲しており、そのためもあってやたらに湿っぽく、僕はもうこの過剰なセンチメンタリズムをまったくもって受け付けない(そもそも僕は、浄瑠璃や義太夫が好きではない)。1時間45分の映画ではあるが、4回くらいに分けて見た。それにこの忠兵衛の破滅的な行動に共感も理解もできず、なんでそういうことまでやってしまうかななどと思ってしまう。見ていて苦痛なだけで、同情心すら湧かない。したがってまったく楽しめなかった。
 唯一の楽しみといえば、豪華なセットと時代考証くらいで、時代考証は割としっかりされていると感じた。セットについても、遊郭を丸ごと(に見えただけだが)再現するなど、非常に手間暇がかかっているようで、それについては感心した。
 それなりに見せる映画ではあったが、残念ながら自分の趣味にまったく合わなかったせいで、他に特筆すべきことがない。強いて言うなら、この映画の2年後に主演の2人が実生活で結婚したということぐらいか。
第14回毎日映画コンクール美術賞受賞
★★☆

参考:
竹林軒出張所『飢餓海峡(映画)』
竹林軒出張所『国性爺合戦 橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 (4)(本)』
竹林軒出張所『彼岸花(映画)』
by chikurinken | 2016-08-05 07:47 | 映画
<< 『A』(映画) 『図解 つくる電子回路』(本) >>