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竹林軒出張所

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『ラジカセのデザイン!』(本)

b0189364_895452.jpgラジカセのデザイン!
松崎順一著
青幻舎MOGURA BOOKS

ラジカセのデザインが良い
という感覚に賛同できない


 これも懐かしい家電を紹介しようという本である。コンセプトは、デザインに注目して、過去発売されたラジカセ(ラジオカセット)の顔を見せていくというもの。そのためどのページにも、過去のラジカセが単色の背景の中に置かれた写真があふれている。純粋に著者の趣味に合うラジカセを並べているという感じで、必ずしもエポックメイキングなものがあるとは限らない。どの写真にも型番名、サイズ、発売年が添付されていて、資料的な価値もなくはない。ただしこの本も、『70年代アナログ家電カタログ』と同様、発売年は「不明」となっているものが著しく多い。発売年不明だと資料的価値は極端に低下する。これも少し調べたら分かりそうなんだが……と思って確認したところ、あの本とこの本、著者が一緒である。結局のところ、著者の性格のせいかと合点がいった。
 この本であるが、16.4cm×16.4cmという変わった判型になっているが、どんな意味があるのかは分からない。ラジカセが横型だから、縦長の本よりこの方が良いのかとも考えられるが、機種によっては見開き2ページに渡っているものがあったり(これがまた見づらい)、機械のごく一部だけが写真で掲載されているものもあったりするため(中には一部分のみが縦に配されているものまである)、本の判型と素材(つまりラジカセ)の関係はなさそうである。真意は皆目分からぬ。つまるところは趣味ということなのか。それから各ページに掲載された著者のコメントが、独特の文体で少々気持ち悪いということも付記しておきたい。
 掲載されているラジカセについては、特にデザインが優れているものばかりではなく、どういう基準で選び出したのかよく分からないが、著者自身の所有物ばかりのようである。何でも著者はあちこちから古い機種を集めて修理したりしているらしい(それが生業かどうかはわからない)。自分がかつて持っていた機種や憧れていた機種でもあれば少しは感慨深いのかも知れないが、売れ筋のものを中心に掲載しているわけではないため、多くの読者にしてみれば大した感慨が湧かない可能性がある。僕については以前持っていた日立のラジカセが載っていたんで、そのページ限定ではあるが多少テンションが上がった。個人的には、80年代のラジカセについてデザインが良かったとも思わないし、メカに対する愛着も持っていなかったので、特に思うところはない。
 なおこの本、その後増補版が出ていて(『ラジカセのデザイン! 増補改訂版』)、判型もA5判になった。掲載されているラジカセも増えたらしいが、わざわざ新版を買ったりする必要性はまったく感じない。
★★★

参考:
竹林軒出張所『70年代アナログ家電カタログ(本)』
竹林軒出張所『日本懐かしオーディオ大全(本)』
竹林軒出張所『あこがれの家電時代(本)』
竹林軒出張所『昭和のレトロパッケージ(本)』
竹林軒出張所『昭和ちびっこ広告手帳(本)』
竹林軒出張所『昭和子どもブーム(本)』
竹林軒出張所『ぼくらの60〜70年代宝箱(本)』
竹林軒出張所『キックの鬼』
by chikurinken | 2016-07-29 08:10 |
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