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竹林軒出張所

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『スパルタカス』(映画)

スパルタカス(1960年・米)
監督:スタンリー・キューブリック
原作:ハワード・ファスト
脚本:ダルトン・トランボ
出演:カーク・ダグラス、ローレンス・オリヴィエ、ジーン・シモンズ、ピーター・ユスティノフ、チャールズ・ロートン、トニー・カーティス、ジョン・ギャヴィン

いろいろいわく付きではあるが
割合オーソドックスなハリウッド映画


b0189364_74107.jpg ローマ帝国で紀元前73年に起こった奴隷反乱、スパルタクスの反乱を材に取った映画。
 スパルタクスの反乱自体が共産主義者によって階級闘争として評価されていたこと、この映画の原作者がアメリカ共産党の党員であったハワード・ファストであったこと、脚本担当が赤狩りで追放されていたダルトン・トランボであったことなどから、公開当時右寄りの勢力によって上映反対運動があったそうだ。映画自体には左翼的な教条主義はまったく感じられないし、むしろ反奴隷主義的な描き方がいかにもアメリカ的だと思ったくらいだ。右翼的な単純思考、短絡思考にはまったく恐れ入る。
 この映画、他にも監督がキューブリックだったり、プロデューサーが主演のカーク・ダグラスだったりで、スタッフも注目に値する。しかもキューブリックはこの映画を自分の恥だと思っているらしいし、ダルトン・トランボの脚本も勝手に書き換えて使ったりしたという。ちなみにこのトランボだが、『ローマの休日』の脚本を担当した人である。ともかくスタッフは非常にユニークと言って良い。
 一方でキャストは割合地味で、ビッグネームといったらカーク・ダグラスとローレンス・オリヴィエくらい。とは言うものの奴隷商人を演じたピーター・ユスティノフはこの映画でアカデミー賞の助演賞を受賞している。いろいろと変わった背景を持つ映画である。
 内容については至ってオーソドックスなハリウッド映画という印象だ。スペクタクルありラブロマンスありで、戦闘シーンのスケール感など、全体に渡って豪華絢爛である。序曲や間奏曲まで備えていて全編3時間以上に及ぶという点で『ベン・ハー』『十戒』に並ぶ超大作と言える。長い映画だが、息をもつかせぬ展開は見事と言う他ない。ただ最後の30分は戦いの後日談になるため、少しばかり間延びした印象を受ける。ストーリー的に必要でなおかつ重要な箇所であることは分かるが、スペクタクルシーンの後が長いとどうしてもだれてくる。
 スパルタクスの反乱は世界史の授業で聞いた程度で大して興味もなかったが、こういった歴史映画を見ると身近に感じるし、何より歴史を膚で感じることができる。そういう点が歴史映画のメリットだと言える。カエサルやクラッススも出てきて、スパルタクスが彼らと同時代であることも今回初めて知ったのだった。
1960年アカデミー賞助演男優賞他受賞
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ベン・ハー(映画)』
竹林軒出張所『十戒(映画)』
竹林軒出張所『クレオパトラ(映画)』
竹林軒出張所『エジプト人(映画)』
竹林軒出張所『ローマの休日(映画)』
竹林軒出張所『ロリータ(映画)』
竹林軒出張所『博士の異常な愛情(映画)』
竹林軒出張所『フルメタル・ジャケット(映画)』
竹林軒出張所『アイズ ワイド シャット(映画)』
by chikurinken | 2016-07-14 07:05 | 映画
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