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竹林軒出張所

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『ヒトラー暗殺計画』(ドキュメンタリー)

ヒトラー暗殺計画(2015年・仏Sunset Presse)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

再現ドラマを交えてヒトラー暗殺未遂事件を辿る

b0189364_8101051.jpg 第二次大戦中、世界中を災厄に包んだナチスを憎む勢力は、ドイツ国内にもあったし、ドイツ軍の上層部にもあった。そのため、その災厄の源であるヒトラーを暗殺しようという動きは数多くあった(このドキュメンタリーによると30以上)。
 最初の暗殺未遂は、ベルリン在住のある時計職人が起こしたもので、1939年のことであった。しかしヒトラーが予定より早く演説を切り上げたため、仕掛けられた時限爆弾は爆発したがヒトラーはまったく無事だった。この時計職人は当然逮捕され、拷問を受けた上、強制収容所に送られた(結局1945年、終戦直前に銃殺される)。
 その後も軍の高官により数度暗殺が試みられるが、まるで何かに守られているようにヒトラーは生き延びる。このドキュメンタリーの原題が『The Luck of Devil』(悪運)となっているのはその事実を反映したものであろう。
 最後の暗殺未遂は、1944年7月の大本営爆発事件で、これにはかなりの数のドイツ軍将校が絡んでいた。しかしこれもいくつかの偶然が重なり、すんでの所でヒトラーは助かったのだった。結局、関係者はほとんどが逮捕され処刑された。この事件には、ヒトラーの信任が厚かった「砂漠の狐」ロンメル陸軍元帥も関与したとされており、ロンメルはその後極秘裏に自殺させられたという。
 こうして数々の暗殺計画をすり抜けて生き延びた悪運強いヒトラーだったが、翌年連合国がベルリンに迫ると、官邸の地下室であっさり自殺したのであった。本来であれば捉えてみじめな姿を世間に曝させるべきであったんだろうが、結局、死体はソ連軍によって地下から搬出され、焼き払われたという。
 このドキュメンタリーでは、ヒトラーの暗殺計画について、再現ドラマを交えながら順に辿っていくという趣向で、なかなか見応えがあった。ヒトラー暗殺計画については、これまでさまざまな本や映画で描かれていて格別目新しいものではないが、45分で全体の流れを俯瞰できるため、非常に有意義である。またドラマ部分がよくできていた点も特筆に値する。おかげで最後までまったく飽きることがなかった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ヒトラー 権力掌握への道 前後編(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ヒトラー 最後の日々(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『映像の世紀 第1集〜第4集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第3集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『映像の世紀 第5集〜第8集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『ヒトラー「わが闘争」封印を解かれた禁断の書(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-06-15 08:11 | ドキュメンタリー
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