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竹林軒出張所

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『生き抜くという旗印 〜詩人・岩崎航の日々〜』(ドキュメンタリー)

生き抜くという旗印 〜詩人・岩崎航の日々〜(2016年・NHK)
NHK-Eテレ ETV特集

b0189364_7371317.jpg筋ジストロフィーの苦難
受容と成長、そして表現


 難病、筋ジストロフィーにより身体が不自由になった詩人の岩崎航。身体の機能が少しずつ失われる日々の中で、自分の感性でものを見、喜びを見出しながら五行詩を作り続けている。そんな岩崎航の生き方を紹介するドキュメンタリー。
 小学生のときに発病し、身体の自由が少しずつ奪われて、17歳のときには自殺を考えていたという岩崎氏。しかしそれでも前向きに考え、生き続けることにした。やがて身体が動かなくなり介助が必要な生活になるが、その一方で五行の詩を作り、それをネットで発表するようになる。彼の詩は多くの人を感動させ、2013年にはこれを集めた詩集が出版され、1万部売りきったという。反響も大きく、それが岩崎氏に大きな喜びを与えている。
 一般の目から見たら、不自由で生きていても仕様がないという考えも湧くかも知れないが、しかし当事者にしか分からない世界がありそこには喜びもある。不自由が即不幸になるわけではないのだ。ましてや詩という表現手段を持つ人間であれば、それは五体満足であるだけの「健常者」には容易に想像できない世界を持っているはずだ。そういう意味において障害に対する画一的な見方を一掃させるようなドキュメンタリーであり、岩崎氏が発する言葉にも重みがあって、それが一層彼の魅力を増している。
 なおタイトルの「生き抜くという旗印」は、氏の五行詩から取ったものである。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『"浦"によせる物語(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『日本人は何をめざしてきたのか (6)(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『詩のこころを読む(本)』
by chikurinken | 2016-05-12 07:37 | ドキュメンタリー
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