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竹林軒出張所

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『荒野の決闘』(映画)

荒野の決闘(1946年・米)
監督:ジョン・フォード
原作:サム・ヘルマン、スチュアート・N・レイク
脚本:サミュエル・G・エンゲル、ウィンストン・ミラー
撮影:ジョー・マクドナルド
出演:ヘンリー・フォンダ、リンダ・ダーネル、ヴィクター・マチュア、キャシー・ダウンズ、ジョン・アイアランド

b0189364_2024543.jpg人間味あふれる登場人物が魅力

 「OK牧場の決闘」を題材にした西部劇だが、今さらあれこれ言うまでもないような、ジョン・フォードの代表作である。
 ワイアット・アープやドク・ホリデイなど、OK牧場事件の当事者たちが人間味あふれる登場人物として描かれ、そこに至るまでの過程もていねいに描かれているため分かりやすい。あくまでもアープ側が正義、クラントン側が悪という描き方であるが、何よりアープとホリデイが魅力的で、そういうところに焦点を置いているため、それも当然の配慮ということができる。
 映像は、コントラストが非常に強いモノクロ映像で、特に夜のシーンなどギラギラして見づらい部分もあるが、たとえば青空と雲が美しく表現されていたりして、総じて非常に魅力的な絵作りである。
 この映画も見るのは今回で3、4回目で、前に見たときは80年代のリバイバル公開時だった。そのときはタイトルが『いとしのクレメンタイン』になっていたが(初公開時は『荒野の決闘』)、その後再び『荒野の決闘』に戻された。原題は『My Darling Clementine』なんで『いとしのクレメンタイン』の方が適訳である。クレメンタイン(キャシー・ダウンズ)に対するワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)の態度がこの映画の一番の魅力で、それを考えると『いとしのクレメンタイン』がピッタリだと思うが、やはり西部劇だけにドンパチの部分を強調したいという思惑が配給側に働いているんだろうか。オールドファンにとっては『荒野の決闘』の方が馴染みがあるということもあるんだろう。
 いずれにしても、映像面、ストーリー面、演出面とすべてに渡って非常に良くできた映画で、映画史に残る映画であることは間違いない。なお実際のOK牧場の事件は、この映画のストーリーとはまったく違うらしく、アープやホリデイもこんなに魅力的な人物だったかどうかは疑問である。
★★★★

参考:
竹林軒出張所『ウィンチェスター銃'73(映画)』
竹林軒出張所『リオ・グランデの砦(映画)』
竹林軒出張所『荒野のガンマン(映画)』
by chikurinken | 2016-05-09 07:24 | 映画
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