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竹林軒出張所

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『再起する脳 脳梗塞が改善した日』(本)

b0189364_19521358.jpg再起する脳 脳梗塞が改善した日
渡辺一正著
幻冬舎ルネッサンス

医学界の「常識」を覆す体験

 大手銀行で遣り手社員として活躍していた著者は、ある日突然脳梗塞で倒れ、生活が大きく変わってしまう。急性期(1〜2カ月)を過ぎてから本格的にリハビリを行うが、結局右半身が麻痺した状態で退院を余儀なくされる。そのとき医師からは「いくらリハビリを続けても、元通りの身体には戻らない」と言われる。医学界の常識では、麻痺が改善するのは発病後6カ月までとされており、医師は患者の心情を考えずにそういうことを平気で言うのである。
 だが著者は、そういう固定概念に疑問を抱き、自らリハビリについて勉強し自主トレを続ける。会社にも復帰し、通勤時にもその自主トレを行うなどしたところ、3年後に右の親指が動き出した。その後他の指も徐々に動きだし、多くの作業ができるまでに回復する。入院前に好きだったゴルフまでできるようになり、走ることさえできるようになったと言うのだ(ただし著者の妻に言わせると、走っているように見えないらしいが)。
 「脳の可塑性」を信じて、執拗に機能回復にこだわった1人のサラリーマンの闘病と復活の過程が具体的に書かれていて、非常に読みやすく、いろいろと参考になる。特に「回復は6カ月まで」という「医学的常識」が必ずしも常識でないことを訴える姿は圧巻である。他の本(竹林軒出張所『奇跡の脳(本)』)でも8年かけて回復したなどという事例が紹介されている。自分の身体のことを他人に規定される必要もないし、改善を求めて努力することは必要であるということがよくわかる(現状の受容は必要であるが)。同じ病気になった人にとっては福音と言っても良い著書である。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『奇跡の脳(本)』
竹林軒出張所『壊れた脳 生存する知(本)』
竹林軒出張所『脳は奇跡を起こす(本)』
竹林軒出張所『リハビリの結果と責任(本)』
竹林軒出張所『脳がよみがえる 脳卒中・リハビリ革命(本)』
竹林軒出張所『よみがえる脳(本)』
by chikurinken | 2016-04-28 07:51 |
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