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竹林軒出張所

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『ルーブル美術館を救った男』(ドキュメンタリー)

ルーブル美術館を救った男(2014年・仏Ladybirds Films)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

ルーブル美術館の陰の歴史

b0189364_19395239.jpg 第二次大戦中、パリを占領したナチスからルーブル美術館の数々の至宝を守った男の話。
 第二次大戦が始まりナチスが快進撃を始めたとき、ルーブル美術館の館長ジャック・ジョジャールは、ナチスがやがてパリに迫ってくることを懸念して、ルーブルの数多の名品をいち早く地方の美術館などに分散疎開させる。やがてジョジャールの予想どおり、ナチスはパリを占領し、ルーブルも支配下に収める。ナチスはルーブルの美術作品に野心を抱くが、ドイツから派遣されたフランスの占領美術担当フランツ・ヴォルフ・メッテルニヒ伯爵は、むしろジョジャールの疎開方針に対して好意的で、ナチスの(美術品を差し出せという)圧力に対し、ジョジャールと協力しながら抵抗していく。
 しかしナチスの圧力はとどまるところを知らず、疎開できなかったルーブル在の美術品は略奪されていく。また、フランス南部に成立した親ナチスのヴィシー政権は疎開された美術品を懸命に探し出してドイツに拠出しようとしていた。こういった作品群についてもルーブルに残っていた元職員ローズ・ヴァランが丹念に流出先の記録を残すなどする。
 やがてナチスが敗北すると、ルーブル美術館に数々の名作が戻ってきて、略奪されたものについてもヴァランの丹念な記録を辿ってほとんどは復活した。のちにジョジャールは、その功績もあり文化相事務局長にまで上り詰めるが、(かつてカンボジアから美術品を略奪した)アンドレ・マルローが文化相になる(竹林軒出張所『盗まれたクメール石像(ドキュメンタリー)』を参照)と、反りが合わなかったのか1966年役職を解任される。そしてその後ジョジャールは生涯ルーブルに戻ることはなかった。
 こういったルーブルの陰の歴史を紹介するドキュメンタリーがこれで、途中、アニメを交えながら再現していく。ルーブルや美術に興味のある向きには面白いかも知れないが、僕なんかは正直あまり感慨はなく「あ、そうですか」というぐらいの感じであった。分かったことは、敵国人にもものごとに対して理解のある人がいるし、自国人にもそういう感覚に鈍い人がいるということだ。『大いなる幻影』を少しイメージさせるような話である。
2015年国際エミー賞芸術番組部門賞受賞
★★★

参考:
竹林軒出張所『盗まれたクメール石像(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『大いなる幻影(映画)』
by chikurinken | 2016-04-17 19:41 | ドキュメンタリー
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