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竹林軒出張所

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『ガウディの遺言』(ドキュメンタリー)

ガウディの遺言 〜サグラダ・ファミリア100年の夢〜(2016年・NHK)
NHK-BSプレミアム ザ・プレミアム

サグラダ・ファミリアの紀行ドキュメンタリー
ていねいな番組作りが光る


b0189364_2291067.jpg スペインの建築家、アントニ・ガウディの足跡を辿る紀行ドキュメンタリー。
 ガウディにはこれまで多少興味を持った時期があって、本(『不思議な建築―甦ったガウディ』)を読んだり、勅使河原宏のドキュメンタリー『アントニー・ガウディー』を見たりしたが、型にはまらないガウディの作品群は、簡単にこういうものだと納得することは難しい。
 バルセロナにあるサグラダ・ファミリア教会は言わずと知れたガウディの代表作だが、ガウディの建築物の中でも不可解さでは群を抜いている。しかも建設が始まって100年以上経過しているにもかかわらずいまだに建造途中である。当初は完成まで300年かかると言われていたが、現在では2026年のガウディ没後100年の完成を目指しているという話である。どちらにしても悠長な話ではある。
 そのサグラダ・ファミリアに女優の薬師丸ひろ子が訪れて、サグラダ・ファミリアの主任彫刻家の外尾悦郎氏に話を聞くというのがこのドキュメンタリーの骨格部分。外尾氏によってガウディがこの建築物で表現したかったものなどが語られる他、パトロンであったグエル氏とガウディとの関係を含め、ガウディの生涯が紹介される。
 ガウディ入門ドキュメンタリーとしてよくまとまってはいるが、それでもサグラダ・ファミリアがなんだかよく分からない建築物であるのは依然として変わらない。ただ(外観と比べると)圧倒的に目にする機会が少ない教会の内部が紹介されたのは非常にポイントが高い。また(同じくガウディが設計した)グエル邸の、意匠を凝らした趣向などが紹介されたのも大変勉強になった。
 ナレーションは薬師丸ひろ子自身が行っているが、最初NHKのアナウンサーがナレーションをやっているのかと思ったほどで、ことばをはっきり話す語りには大変好感が持てる。また外尾氏が非常にテレビ慣れしていたのも印象的。後で知ったんだがコマーシャルにも出たりしているような人らしい。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『五重塔はなぜ倒れないか(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『非常識な建築業界 「どや建築」という病(本)』
by chikurinken | 2016-04-16 07:08 | ドキュメンタリー
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