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竹林軒出張所

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『カサブランカ』(映画)

カサブランカ(1942年・米)
監督:マイケル・カーティス
原作:マーレイ・バーネット、ジョアン・アリソン
脚本:ジュリアス・J・エプスタイン、フィリップ・G・エプスタイン、ハワード・コッチ
出演:ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン、ポール・ヘンリード、クロード・レインズ、コンラート・ファイト

b0189364_8255031.jpgボギーは不倫相手だった

 言わずと知れたメロドラマの傑作。ただしメロドラマと片付けるには少々もったいない。何よりストーリーがよく練られている。ちょっと作りすぎの感がなきにしもあらずで、少々おとぎ話的ではあるが。印象的なシーンも非常に多く、この映画のセリフやシーンがその後何度もあちこちで取り上げられているのはご承知のとおり(「君の瞳に乾杯」、「そんな昔のことは覚えていない」など)。劇中歌の「As Time Goes By」も映画以上に有名になっている。
 何より、クールでシニカルなリック(ハンフリー・ボガート)が非常に魅力的である。クールなくせに情に厚い面を持っているなどというのも良い。イングリッド・バーグマンもこの映画の頃が一番きれいなんじゃないかと思うほど美しい。ただし、パリ時代のボガートが、やたら女に溺れていて、なんだかだらしないのはいただけない(話の筋書き上必要なんだが)。ボガートがクールな役回りを演じるのは『マルタの鷹』(1941年)あたりからだと思うが、代表作はなんと言ってもこの『カサブランカ』である。この映画では、振られ男(立場的には既婚女性の不倫相手の独身男)をクールに好演している。
 全編、反ドイツ、反枢軸国の姿勢が貫かれていて、製作年の1942年という時代を考えれば当然なんだろうが、とは言っても後の映画みたいに、ドイツ人を心を持たない凶悪な人間みたいな描き方はしていない。ドイツの傀儡であるフランスのヴィシー政権に対しても批判的ではあるが、全体的に狂信的な描き方でないのが好感を持てる。
 ドイツ人のいけ好かない将校を演じているのは、『カリガリ博士』で夢遊病者チェザーレを演じていたコンラート・ファイト! このコンラート・ファイト、反ナチで英国に亡命したドイツ人なんだが、彼のスチール写真が『バットマン』のジョーカーのモデルになったという説もあるらしい。いずれにしても異色の俳優である。
1943年アカデミー賞作品賞、監督賞、脚色賞受賞
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『三つ数えろ(映画)』
竹林軒出張所『麗しのサブリナ(映画)』
竹林軒出張所『ガス燈(映画)』
竹林軒出張所『誰が為に鐘は鳴る(映画)』
竹林軒出張所『望郷(映画)』
竹林軒出張所『恐怖の報酬(映画)』
by chikurinken | 2016-04-09 08:26 | 映画
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