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竹林軒出張所

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『京都人の密かな愉しみ 冬』(ドキュメンタリー)

京都人の密かな愉しみ 冬(2016年・NHK)
NHK-BSプレミアム ザ・プレミアム

あらぬ方向に進み始めた

b0189364_18518100.jpg 前のところ(竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 夏(ドキュメンタリー)』)で書いたが、やはり予想どおり、続々編の冬版が登場した。前回最後に登場した謎の女性(シャーロット・ケイト・フォックス)の正体が明らかになる。ヒースロー教授(団時朗)のフィアンセ(と言っても女性の方が一方的にそう思っているんだが)、エミリー・コッツフィールドで、イングランドから京都まで追いかけてきた言語学者という設定である。ま、ちょっと無理があるが。
 シャーロット・ケイト・フォックスが京都弁を使うのはかなり違和感があるが、日本語のリズムは非常にこなれていて感心した。これはNHKの朝の連続テレビで見たときも感じたことで、よく勉強する人なんだろうなと思う。要は日本語のリズムにまったく違和感がないのだな。たとえば『キル・ビル』のユマ・サーマンの日本語を聞くと、日本語を知らないアメリカ人が話す日本語がどれほどのものかよく分かる。そういう思わず苦笑してしまうような変なリズムがシャーロットにないのは、今回も同様なんである。京都弁については無理に話させる必要があったのか疑問。
 一方エミリーのモノローグ(多くは京都人や京都の習慣に対する不信感だが)については友近が語っているが、相当シニカルな見方が展開され、あまりのことにエミリーが非常に意地の悪い人のように映る。
 例によって、ほとんどの部分はドラマで構成されていて、ところどころ料理コーナーやドキュメンタリー的な部分が挟まれるという構成である。またこれまでと同じように、ミニドラマが2本挟まれている。ただし前回よりも内容は浅目。
 本編ドラマもまあそれなりに面白いが、なんと言っても一番目を引くのがエンドロールで、番組に登場してきたシーンが、武田カオリの『京都慕情』を背景にして流れる。これが情緒的でとても良い。
 ドラマはまだ続きそうなので、次が秋、その次が春という感じで続いて、最終的にそこで終わるのかなと思ったりする。ドラマのストーリー自体は、なんだかちょっと変な方向に進んで、先ほども言ったが無理が生じてきている。適当なところで収束させるんだろうが、せっかくなんでうまいことやってほしいなとは思う。今回も脚本、演出は映画監督の源孝志であった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 夏(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 月夜の告白(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ 桜散る(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『京都人の密かな愉しみ blue 修行中(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『漱石悶々(ドラマ)』

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 以下、以前のブログで紹介した『キル・ビル』についての評(再録)。

(旧ブログ2005年1月22日の記事より)
キル・ビル vol.1(2003年・米)
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、ダリル・ハンナ、千葉真一、風祭ゆき、栗山千明、ジュリー・ドレフュス

b0189364_9495437.jpg 「深作欣二に捧げる」という字幕が冒頭に出る。なるぼど深作欽二ね。確かにそういう映画です。
 30代以上の日本人が見たらいっそう楽しめるかも知れない。かつてのアニメやB級時代劇のパロディというかオマージュというか、とにかくそういうのが満載。音楽や効果音、映像なども凝っていて、いろいろ発見する楽しみがある。
 こういう殺伐とした映画は好みがあると思う。はっきり言って私は嫌いだが、それでも随所に楽しめる要素がちりばめられており、思わずニヤッとしてしまう。
 端役で出ている風祭ゆきの名前が、冒頭のテロップで主役級の役者と同等に並べられていた。日活ロマンポルノでものすごい演技をしていた女優であるが、タランティーノも日活ロマンポルノを見たのだろうか。何となく、タランティーノが同世代の日本人映画ファンであるかのような錯覚を持ってしまう。
 蛇足であるが、主役級のアメリカ人がしゃべる奇怪な日本語はいただけない。あのトツトツとした日本語を聞くと興が冷める。そもそも、こんな(外国人がしゃべるには)無理のある台詞を、日本語がしゃべれない役者にしゃべらす方が問題だ。日本向け上映については、その部分だけ日本人の声優に吹き替えてもらった方が良いんじゃないかと思った。
★★★
by chikurinken | 2016-03-25 07:49 | ドキュメンタリー
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