ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

『安全な“食”を求めて』(ドキュメンタリー)

安全な“食”を求めて(2015年・NHK/CNEX/DR)
NHK-BS1 BS世界のドキュメンタリー

b0189364_2218312.jpg中国有機農業事情

 中国で有機農業を営む女性とそれを手伝う農民、ファーマーズ・マーケットを開いてかれらの生産物を販売する女性、ファーマーズ・マーケットを渡り歩き生産物を購入し続ける女性などを追って、中国の有機農業の現在を紹介するドキュメンタリー。
 中国の野菜や食品がさまざまな毒で汚染されていて危険であることは有名で、中国人でさえ中国産の食品は危険だという認識を持っていると聞く。実際食べた人が不調を訴えたというようなニュースもときどき耳にする。だからといって、中国の農業生産物がすべて農薬に汚染されているかというとさにあらず、やはり食の状況を憂えて有機農業を始める人が出てくる。この番組に出てくる張さんは元外交官という異色の肩書きを持ちながらも、現在は有機農業に精を出す。一方で有機農業は手間がかかるため、どうしても価格を高くしないと割にあわない。また売るための販路がないという問題点もある。販路については別の女性(元OL)がファーマーズ・マーケットを主催し、毎週北京のあちこちでこういった即席市場を設けて、有機野菜の販売を手伝っている。彼らはそれぞれ、中国で安全な食を実現したいという高邁な理想に基づいて行動しており、ファーマーズ・マーケットの様子は、日本で開かれるこの種のイベントと大して違わない。
 こういう状況で、張さんが長年かけて作り上げた有機農場が住宅建設などの用地として行政によって接収される危険性が出てきた。中国政府は、農業での化学肥料の使いすぎを憂えているようで化学肥料を減らすための数値目標まで設定しているが、一方で行政機関によって有機農業が破壊される可能性があるというんだから、かの国の構造はどうもどこかが歪んでいる。高い志を持って世のため人のために仕事をしている人を守らなくてどうするんだと思うが、だがこういう問題は日本でもアメリカでも起こりうることで、なかなかうまいこと行かないのが世の常なのか。
★★★

参考:
竹林軒出張所『フード・インク(映画)』
竹林軒出張所『食について思いを馳せる本』
竹林軒出張所『モンサントの世界戦略(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『100マイルチャレンジ 地元の食材で暮らす(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『土の文明史(本)』
竹林軒出張所『遺伝子組み換え戦争(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-03-15 07:17 | ドキュメンタリー
<< 『天国から来たチャンピオン』(映画) 『新・映像の世紀 第5集』(ド... >>