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竹林軒出張所

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『新・映像の世紀 第5集』(ドキュメンタリー)

新・映像の世紀 第5集 若者の反乱が世界に連鎖した(2016年・NHK)
NHK総合 NHKスペシャル

反乱の時代、その原動力はテレビだった

b0189364_21274094.jpg 『新・映像の世紀』第5回目は、1960年代以降の若者の反乱の時代を取り上げる。
 1960年代後半になると、ベトナム戦争の惨状が連日テレビで伝えられるようになり、結果的に、若者に既成の価値に対する疑問を持たせることになる。これがアメリカ国内での若者の反乱を引き起こし、またその映像が他の国で若者の反乱を連鎖的に引き起こしたのがこの時代である、というのがこのドキュメンタリーの主張。
 また、このような若者の反乱が世界中に広がったのは放送の影響が大きいのは確かだが、同時に戦後のベビーブーム世代の数的なパワーが大きな要因となっているとする。またチェ・ゲバラや毛沢東ら革命家が与える影響も大きかったとする。しかしこのような若者の反乱も、ベトナム戦争が1975年に終結すると、反乱の拠り所がなくなりやがて下火になる。
b0189364_2128456.jpg 一方、東側世界の反乱の例として、プラハの春や東ベルリンでの抗議行動などが取り上げられていた。ただしかし、これらは西側で起こった若者の反乱とは状況が違うというのが僕の率直な印象である(世間のほとんどの人もそうだろうが)。この番組では、1960年以降に起こった各国の既成政府への反乱が一様に同レベルで取り上げられているため、こういった西側の反乱も東側の反体制運動も同一線上のものとして扱われているが、そういう部分は最後まで違和感が残った。
 放送の普及がこういった運動に大きな影響を及ぼしたとする見方は鋭かったが、映像については、割合あちこちで見たことのある映像ばかりが取り上げられていて、あまり面白味がない。この『新・映像の世紀』シリーズではテーマ中心に責めていくというスタンスを貫いているが、こういうアプローチだとやはりどこか無理矢理にまとめざるを得ない部分が出てきて、テーマ別にすることと時代ごとに歴史を追うことの間でジレンマが生じているようにも思える。無理に1つの主張に集約させず、前のシリーズみたいに、映像を使って時代を追いかけていくという手法の方が良いんじゃないかと、このシリーズを見るたびに思う。次回の第6集がいよいよ最終回だが、期待できるかどうかは微妙なところだと感じている。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第1集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第2集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第3集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第4集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『新・映像の世紀 第6集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『映像の世紀 第9集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『もうひとつのアメリカ史 (5)〜(7)(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『コミック昭和史 第5巻、第6巻、第7巻、第8巻(本)』
竹林軒出張所『シリーズ毛沢東(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『チャスラフスカ もう一つの肖像(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2016-03-13 07:26 | ドキュメンタリー
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