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竹林軒出張所

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『映像の世紀 第10集〜第11集』(ドキュメンタリー)

デジタルリマスター版 映像の世紀 第10集〜第11集(1995年・NHK)
NHK-BS1 NHKスペシャル

b0189364_8283152.jpg『映像の世紀』、各論

 デジタルリマスター『映像の世紀』の第10集と第11集。今回放送日時が非常に変則的だったため、第9集を見損ねた。NHKには、ちゃんと決まった時刻に放送してほしいものである。
 さて第10集と第11集はやや変則的で、これまでの時系列での歴史俯瞰ではなく、第9集までの総括みたいになっており、いわばテーマ別の構成になっている。第10集は「民族の悲劇果てしなく」というタイトルで、20世紀の難民の歴史といった趣である。1915年のアルメニア難民の映像から始まり、この番組放送時の直近の事象である旧ユーゴ難民まで、民族紛争で犠牲になった多くの人々が映像で紹介されていく。総括風の構成になっているため、これまで使用された映像もあちこちで再利用されている。映像の再利用であるためインパクトは他のシリーズ作品よりも小さいが、テーマを集約していることから、製作者側はむしろこちらを作りたかったのかという印象を受ける。しかしこれまでよりも小粒であるのは否定できない。
 第11集は「JAPAN 世界が見た明治・大正・昭和」。つまり日本の映像を集めたものである。1897年に撮影されたという日本の風景から近年の映像まで紹介されるが、足踏み式の水車や和服の人があふれた銀座通りなどが出てきて、江戸の面影が映像で示されるのはポイントが高い。だが戦後については少々おざなりで物足りなさはある。「戦前までが歴史」という学校教育にも共通する当時の視点ゆえか知らんが、今の視点では戦後史をもう少し充実させたいところではある。
 いずれにしてもこのシリーズ、全体を通じて出色のデキであったことには変わりない。何度見ても見入ってしまうドキュメンタリーであるのは素材映像の力なんだろうが、それを見せるための工夫も随所に感じられるのがこのシリーズである。10月下旬から新シリーズが放送されるということだがこちらも非常に楽しみである。新発見の映像を集めたという触れ込みだが、予告編を見る限りこの旧シリーズで見た映像と同じだった。
★★★

参考:
竹林軒出張所『映像の世紀 第1集〜第4集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『映像の世紀 第5集〜第8集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『映像の世紀 第9集(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『カラーでよみがえる東京(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『カラーでみる太平洋戦争(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『戦後70年 ニッポンの肖像 (1) 高度成長(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『100年前の世界一周(本)』
竹林軒『「ラスト・サムライ」に見る「逝きし世の面影」』
by chikurinken | 2015-10-14 08:28 | ドキュメンタリー
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