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竹林軒出張所

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エミュレータで太郎を使う

 昨日の続き(竹林軒出張所『エミュレータでOCRを使う』参照)。
 昨日も書いたように、エミュレータを使えばMacでも普通にWindowsソフトが使える。
エミュレータで太郎を使う_b0189364_8252638.jpgエミュレータで太郎を使う_b0189364_8261155.jpgエミュレータで太郎を使う_b0189364_8263519.jpgエミュレータで太郎を使う_b0189364_9491254.jpg このエミュレータ、つまりParallels Desktopであるが、昨日書いたように、Macの画面の中で窓を開いて、その中でWindows環境を再現することができるが、その他にWindows環境を全画面表示するモードもある。全画面表示にすると、少なくとも画面内は完全にWindows環境になってしまいWindowsに完全に占拠された状態になる。そうするとMacが使えねーじゃねーかということになるんだが、そこらへんは良くしたもので、トラックパッドの上を3本指(マジックマウスの上を2本指)で左向きにこする(スワイプ)と、画面がワイプして元のMacの画面に戻るようになっている。つまりMacの画面の右側にWindowsの画面が存在しているかのような感覚を覚えるインターフェイスになっているのだ。これは非常に直感的で、おそらくMacOSの機能なんだろうが、Parallels Desktopの使い勝手と価値を一段と高める結果になっている。
 また、トラックパッドやマウスを逆方向にスワイプするとダッシュボードという小物類の画面にワイプするというのも、同じインターフェイスでわかりやすい。つまりこの場合、真ん中にMacの通常のFinderの画面があって、右側にWindowsの画面、左側にダッシュボードの画面が控えていて、スワイプすることで切り替えられるという感覚になるわけ。またトラックパッドを4本指で上方向、下方向にスワイプすると、Mission Control、アプリケーション・ウィンドウに切り替わるが、これも画面の上と下にそれぞれの画面が配置されているように感じる。こういうのはiPhone/iPadのインターフェイスを採用したものだろうが、iPhone/iPad以上に小気味良さを感じる。
 さて、本日は昨日に続いて、一太郎をエミュレータに入れてしまおうという試みである。昨年、一念発起して、ジャストシステムからダウンロード版の一太郎を購入して導入しようとしたが、少なくともうちのMac環境ではインストール・ファイルのダウンロード自体ができず、結局キャンセルしたという経験があったため、今回は前バージョンのパッケージ版を購入。これも1万円を切る価格で、かつてMS-DOSの世界にドッカと君臨していた一太郎の面影はない。わざわざ前バージョンを買ったのは、最新バージョンがうちのWindowsのバージョンに対応していないためである。
 そもそもなぜWindowsワープロが必要なのかと思われる向きがあるかも知れないが、これはMac環境に今や縦書きワープロがほとんど無いためである。かつてはAppleWorksという気の利いた統合ソフトがあったが、これも懐かしのCarbon仕様であったため、ヨセミテでは使えなくなった。AppleWorksの後継という位置付けのiWorkのワープロ・ソフトPagesでは、いまだに縦書きができない。アップルには日本ユーザーをまともに相手にする気が無いらしいので、もう見切りを付けて、国産ワープロ・ソフトを使うことにしたのである。実はマイクロソフトのワードならば縦書きができるらしいが、マイクロソフトのアプリケーションは精神衛生上大変良くないので、実用目的で使いたくない。ということで一太郎に白羽の矢を立てたわけだ。
 一太郎なんかMS-DOS時代以来触れたこともなく、しかもDOS時代は傲慢さが鼻についてあまり好きでないアプリケーションの代表格だったが、今ではあまりそういった嫌悪感はない。むしろ日本製ということを考えると、日本語ワープロとして健闘しているんじゃないかという親近感さえ持つ。ということで今回は一太郎を採用したのだった。
エミュレータで太郎を使う_b0189364_824960.jpg で、インストールはエミュレータ(Parallels)のWindows環境に行うわけだが、今回買ったパッケージ版は前回のダウンロード版と違って何の問題も無く、当たり前のようにインストールできた。少し使ってみたが、やたらいろいろな画面表示モードがあって、どういうコンセプトになっているのかよくわからない。WYSIWYG(画面に表示されているものがそのまま印刷されるという考え方)の画面が1つあってそこですべてこなせるようにするのが直感的でわかりやすく親切だと思うんだが、昔ながらの伝統を引きずったソフトなんで、もしかしたらいろいろとしがらみがあるのかも知れない。現にクラシック・モードなどというモードもあるようだ。このソフトについても、昨日のOCR同様、使いこなすには少し勉強が必要なようである。こういった、直感で使えないという制約はWindowsソフトでは当たり前だったということをあらためて思い出す結果になったが、この辺がMacのエコシステムとはちょっと違うんだろうなと今回感じることになった。
 だがインターフェイスというのは感覚的に使えるものが一番良いのは言うまでもなく、それを設計するには十分な研究、試行錯誤が必要になってくるのは容易に想像できる(僕も以前簡単なデータベースを設計したときにこういった問題に直面した)。それを考えると、ヨセミテの、スワイプで画面を切り替えるという大胆で簡単なインターフェイスがどれだけ洗練されているかわかろうというものである。結果的にこの使いやすいインターフェイスのせいで、使いづらいWindowsインターフェイスの世界にどっぷりはまることになるってんだから、このあたり、ちょっとパラドクシカル(逆説的)ではないですか。

参考:
竹林軒出張所『エミュレータでOCRを使う』
竹林軒出張所『MacでWindowsゲームをプレイする』
竹林軒出張所『パソコンにもプロ化の波』
竹林軒出張所『ヨセミテ記』
竹林軒出張所『ネットdeプロ野球』
by chikurinken | 2015-10-06 08:28 | パソコン
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