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竹林軒出張所

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『ネイティブスピーカーの前置詞』(本)

ネイティブスピーカーの前置詞
ネイティブスピーカーの英文法〈2〉

大西泰斗、ポール・マクベイ著
研究社出版

英語学習のショートカット

『ネイティブスピーカーの前置詞』(本)_b0189364_7541886.jpg 『ネイティブスピーカー』シリーズ第2弾は、前置詞についての解説。
 高校英語じゃ前置詞の意味について細かく解説するなんてことはしない。一つには、連語(イディオム)として生徒に憶えさせる方がずっと簡単だからで、もちろん先生がそういうことをよく知らないというのもある。
 僕自身は幸いなことに予備校で前置詞の意味などについて学習していたので、必要以上に連語の記憶に時間を取られないで済んだ。そういう点は非常にラッキーだった。さてこの本なんだが、前置詞について、本来の意味(基本イメージ)とそこから派生した副次的な意味を紹介し、こういったものを前置詞の「家族」としてまとめている。たとえば「on」であれば「上に接触している状態」が基本イメージで、そこから「線上のon」、「支えのon」、「方向のon」、「直接的影響のon」、「進行中のon」が派生してきたということをかなり細かく説明している。
 昨日も書いたように、僕が予備校で学習した内容と非常に似ていて、しかも後半の「場所をあらわすin、on、at」や「時をあらわすin、on、at」などは同じようなくくりで勉強した記憶がある。同じ先生に習ったのかと思った(竹林軒出張所『ネイティブスピーカーの英文法 英語の感覚が身につく』を参照)、というか今でも少し疑っているんだが、誰かがこういう本を出してくれないかなと長い間思っていたため、この本を見つけたのは少し喜ばしくもある。ただ一部、前置詞の解釈に納得いかない部分もあるのは確かで、やはり意味の解釈については、著者独自の見解に基づいていると見た方が良い。これが絶対的なものではないということで、forやofの基本イメージについては別の解釈の方が適切なのではないかと感じた。
 それでもやはり、このような本が手の届く範囲にある今の高校生にはうらやましさも感じる。是非こういった本を手にとって、英語の世界にどっぷり浸かってもらいたいと思う。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ネイティブスピーカーの英文法(本)』
竹林軒出張所『ネイティブスピーカーの英語感覚(本)』
竹林軒出張所『日本人の英語はなぜ間違うのか?(本)』
竹林軒出張所『白文攻略 漢文法ひとり学び(本)』
竹林軒出張所『古典文法質問箱(本)』
by chikurinken | 2015-02-13 07:55 |
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