家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。
K・Kajunsky著、ichida漫画
PHP研究所
オリジナルとマンガの
とぼけ具合が絶妙にマッチ 「家に帰ると妻が」シリーズ(そんなのがあるか知らんが)の第1作。元々は
「Yahoo!知恵袋」の投稿から始まったらしい。内容があまりに面白いので「アンサー」が殺到して話題になったことから、その後ブログが始まり、やがて書籍化……という流れになった。そして、ichida氏によりマンガ化されたのがこの本。
内容は、まさにタイトル通り「家に帰ると妻が死んだふりをしている」というもので、著者のK・Kajunsky氏と、少し浮き世離れした奥さんとのやりとりが、ichida氏のとぼけた味わいのマンガで描かれる。内容とマンガはよく合っていて、ichida氏の面目躍如である。
それにしても、登場する奥さん、やることが奇想天外でとっても面白い。そしてそれを淡々と書き連ねたK・Kajunsky氏の文章も、ichida氏のマンガと同様、素朴な味わいがある。実は、この本、途中からマンガではなくK・Kajunsky氏の文章で表記されているんだが(最後はまた戻る)、しかし著者の筆力のせいか、文章だけでも大いに楽しめる。一部だけ文章というのもなんだか中途半端な感じがするんで、いっそのこと最初から最後までマンガで全部統一してほしかったとは思うが、あるいは意図的にそうしたのかも知れない。
なお、この本、その後第2弾、第3弾と続けて出ており、もしかしたらさらにその先も出るのか……という勢いである。
★★★☆参考:
竹林軒出張所『家に帰ると妻がカフェをやりたがっています。(本)』竹林軒出張所『漫画・日本霊異記(本)』竹林軒出張所『大家さんと僕(本)』