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竹林軒出張所

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『ビンボーになったらこうなった!』(本)

b0189364_8454556.jpgビンボーになったらこうなった!
橋本玉泉著
彩図社文庫

非常に後ろ向きなビンボー読本

 フリーライターを長年続けてきたが、出版不況の煽りを受けて食えなくなったという著者の貧乏話。現在、深夜の肉体労働でなんとか食いつないでいる(それでも相当な借金がありそうだが)ということで、家族を抱えて大変な状況がうかがわれる。身につまされる話で、僕なども困窮しているが、僕よりも数年先を進んでいるという印象である。これほど困窮する前になんとか手は打てなかったものかと思うが、少なくとも僕はこれを他山の石にしたいと感じている。
 本書では、50代の家族持ちが職を得られない現実、貧乏暮らしの現実、借金返済のコツ(?)、自己破産のメリットなどが紹介される。中でも他人に貧乏暮らしのことを話すと、甘えていないで仕事を増やせなどと言われることに腹が立っているようで、そういう妄言は現実を知らないせいだという恨み言をつらつらと書き連ねている。言わんとすることはよくわかるが、こういう愚痴めいたことを聞かされるのはあまり楽しくない。とは言っても、著者の境遇についてもよく理解できるし、こういう状況に陥らないようしっかりやらなければならんなという自覚を持つことはできた。せめて著者には境遇が好転していてほしいと思いながら読んでいたが、少なくとも執筆時においてはあまり状況が変わっていないようで、読んだ後もどんよりとした空気が続いた。調子の良くないときはこういった本を読まない方が良いかも知れない。現状に不安を感じている人は、こういう後ろ向きな本より、松下竜一の『底ぬけビンボー暮らし』でも読んで、前向きに生きることをお奨めしたい。
★★★

参考:
竹林軒出張所『パリ・ロンドン放浪記(本)』
竹林軒出張所『戦場から女優へ(本)』
竹林軒出張所『ホームレス大図鑑(本)』
竹林軒出張所『にあんちゃん(映画)』
竹林軒出張所『山之口貘の詩、そしてとぼけた味わいの曲』
by chikurinken | 2014-09-23 08:45 |
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