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竹林軒出張所

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『欲望の植物誌 人をあやつる4つの植物』(本)

欲望の植物誌 人をあやつる4つの植物
マイケル・ポーラン著
八坂書房

観念奔逸のような本
読むのに大層疲れる


『欲望の植物誌 人をあやつる4つの植物』(本)_b0189364_7573983.jpg 園芸好きのジャーナリストによる、人間と植物の関わりについてのエッセイ。
 植物の視点から見た農業、園芸という視点が新しい。世間一般では、人間が優良な作物の株を選抜したりかけ合わせたりすることでさらに優良な株を作り上げていると考えられているが、実は植物の側が、受粉にミツバチを利用するように人間を利用することで種の繁栄を目論んでいるという考え方を取り上げている。その上で、リンゴ、チューリップ、マリファナ、ジャガイモのケースを取り上げ、それぞれが人間にどのように利用されてきたか、そして同時に、植物側がどのように人間を利用する結果になっているかについて語っていく。内容は非常に幅広く、歴史的な観点や文化史的な観点はもちろん、農薬や遺伝子組み換え作物にまで論は及ぶ。取り上げられるさまざま話題は非常に広範で著者の教養を窺い知ることができるが、話題があまりにランダムで、どうでも良いことまで取り上げられているので、半分以上の箇所は退屈して読んでいた。正直、こういう箇所は無駄と感じた。
 視点は目新しいが、もう少し内容を凝縮してピンポイントで語っていった方が良いんじゃないかと思う。読み続けるのが少々苦痛だった。
★★★

参考:
竹林軒出張所『植物はヒトを操る(本)』
竹林軒出張所『植物はそこまで知っている(本)』
竹林軒出張所『ハチはなぜ大量死したのか(本)』
竹林軒出張所『映像詩 フランスの田園(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『タネの未来(本)』

by chikurinken | 2014-04-02 07:59 |
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