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竹林軒出張所

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『ティッピング・ポイント』(本)

ティッピング・ポイント
いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか

マルコム・グラッドウェル著、高橋啓訳
飛鳥新社

b0189364_8224816.jpg語り口は良いんだが内容は薄目

 アメリカで話題になっているマルコム・グラッドウェルの処女作。マルコム・グラッドウェルは、元々『ワシントン・ポスト』の記者で、その後フリーのライターになったという経歴を持つライター。記述の中でさまざまな実験の結果が引用されているが学者ではない。
 本書のタイトルにもなっている「ティッピング・ポイント」とは「傾き始める点」のことで、大流行、大ヒットするものには必ずこういう分岐点があるというのが本書の主張。そしてこのティッピング・ポイントについて分析しているのがこの本ということになる。
 ティッピング・ポイントが起こるには、まずその内容を伝搬させる(口コミを起こさせる)少数の人々(著者のいわゆる「コネクター」、「メイヴン」、「セールスマン」)が必要になる(「少数者の法則」)。これに加えて、情報を人々の記憶に残すための「粘りの要素」と「背景の力」も必要になるという。そしてこの3つがティッピング・ポイントの条件であり、これが揃えばティッピング・ポイントを起こすことができるらしい。ここまでが前半。後半は、ケーススタディでいくつかの流行の事例を取り上げ、この3つの条件がどのように作用したかを探る。
 ライターが書いた本だけに、面白い要素が詰まっていて飽きさせない上、読みものとして面白く、また提示されているのも面白い説ではあるが、正直あまり説得力がなく真偽のほどもわからない。結論は理論的であるかのようにも見えるが、よくよく考えると非常に感覚的である。客観的に見ると結構怪しいという印象も受ける。もっとも提示されている結論にしても、大したことを言っているわけではない。取るに足りない議論と言うこともできる。全部で300ページを超える本であるが、長々と付き合わされた割には、この程度の結論なのかというガッカリ感もある。まあ、話のネタを仕込んだ程度に考えることにして、自分を納得させることにする。
★★★

参考:
竹林軒出張所『天才! 成功する人々の法則(本)』
竹林軒出張所『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい(本)』

by chikurinken | 2014-03-17 08:24 |
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