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竹林軒出張所

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『いつも2人で』(映画)

いつも2人で(1967年・英米)
監督:スタンリー・ドーネン
原作:フレデリック・ラファエル
脚本:クリス・チャリス、オースティン・デンプスター、アンリ・ティケ
音楽:ヘンリー・マンシーニ
出演:オードリー・ヘプバーン、アルバート・フィニー、ジャクリーン・ビセット、ナディア・グレイ

ハリウッド映画だが、意外にユニーク

『いつも2人で』(映画)_b0189364_8153130.jpg スタンリー・ドーネン+オードリー・ヘプバーン+ヘンリー・マンシーニという『シャレード』と同じ組み合わせの映画。ただし内容は『シャレード』と違い、やや硬派で、倦怠期を迎えた夫婦の危機を描くというもの。
 ヘプバーンも、それまでのアイドル路線と違った演技派の面を見せていて新鮮である。相手役のアルバート・フィニーは英国の映画人で、僕はこれまで『ドレッサー』(1983年作)でしか見たことがなかったが、あの映画と全然印象が違うんでビックリである。15年でこんなに変わるものなのかと思うほどで、この『いつも2人で』では二枚目の夫を演じている。
 ストーリーは、どこにでも転がっていそうな話が題材だが、映画としてはなかなかユニークで、しかも時間軸を超えた複数のシーンが同時進行し、随時シーンが切り替わっていくという冒険的な手法をとっている(一種の回想形式)。そのためわかりづらい部分もあるが、主役の2人が知り合った頃、新婚時代、倦怠期時代とそれぞれの状況が対比されて、面白い効果をあげている。しかも舞台となる場所が絶妙にシンクロしたりして結構凝っている。スタンリー・ドーネンがこういう映画を撮れるというのもちょっと驚きである。
 ヘンリー・マンシーニの音楽は例によってすばらしいが、同じテーマが何度も何度も全編通じて流れるため、少々うるさく感じる。もう少し音楽を少なくするか、使うメロディにバリエーションをつけるかした方が良かったんじゃないかと思う。とは言え、単純なハリウッド映画とは少々毛色が違った意欲的な映画だったことは確かである。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『ローマの休日(映画)』
竹林軒出張所『麗しのサブリナ(映画)』
竹林軒出張所『昼下りの情事(映画)』
竹林軒出張所『シャレード(映画)』
by chikurinken | 2013-12-20 08:16 | 映画
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