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竹林軒出張所

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『至高のバイオリン ストラディヴァリウスの謎』(ドキュメンタリー)

至高のバイオリン ストラディヴァリウスの謎(2013年・NHK)
NHK総合 NHKスペシャル

ストラディヴァリウスの秘密に迫った

b0189364_7563065.jpg 現存するヴァイオリンの中で最高峰の音色を出す楽器と言えばストラディヴァリウス(17〜18世紀)が有名で、これまで数多くのヴァイオリン製作者がこのストラディヴァリウスに挑みながら、いまだにそれを凌駕するヴァイオリンは現れていない。また、あまたの学者もその秘密に迫りながらなかなか正体がつかめずにいる。このドキュメンタリーでは、ストラディヴァリウスの秘密に迫る人々とともに、ストラディヴァリウスに挑み続けるヴァイオリン製作者にもスポットを当てる。
 ストラディヴァリウスを製作したアントニオ・ストラディヴァリがイタリアのクレモナ出身ということで、クレモナのヴァイオリン製作者を訪れるところから話が始まる。このあたり、前に紹介したドキュメンタリー、『バイオリンの聖地クレモナへ』を思わせる。
 ただしこっちの番組ではそれにとどまらず、科学的なアプローチでストラディヴァリウスの秘密に迫るということもやっている。その結果、ストラディヴァリウスの特質は音の広がり方にあり、演奏時に音が斜め上方に拡散する傾向があることが判明する。また、一方でストラディヴァリウスをCTスキャンしてその構造を探り出し、収集されたデータに基づいて、まったく同じ構造のヴァイオリンをコピーしようという試みもアメリカで行われているという。ストラディヴァリウスに対しては、このように世界中でさまざまな方法でアプローチされており、しかもその秘密も現時点でかなり解明されているということらしい。
 ただそういう点を含め、ストラディヴァリウスに迫りはしたが、もう一つ核心に迫り切れていないような印象は最後まで残った。個人的には、番組内に登場したとある日本人ヴァイオリン製作(修復)者が語っていたこと(ストラディヴァリウスを構成する表板と裏板が、どの部分も同じ高さで音が響くということ)が、はなはだアナログ感覚ではあるが、案外ストラディヴァリウスの本質に迫っているんじゃないかと感じたのだった。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『バイオリンの聖地クレモナへ(ドキュメンタリー)』
by chikurinken | 2013-11-13 07:56 | ドキュメンタリー
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