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竹林軒出張所

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続・山田太一のドラマ、5本

b0189364_849584.jpg山田太一のドラマ・ベスト10
6. 男たちの旅路 第4部「第三話 車輪の一歩」
 (1979年、NHK)
7. 今朝の秋(1987年、NHK)
8. シャツの店(1986年、NHK)
9. 夏の一族(1995年、NHK)
10. 深夜にようこそ(1986年、TBS)
番外:ふぞろいの林檎たち(1983年、TBS)

 今週は山田太一関連の記事をずらりと並べたので、最後にお奨め山田太一ドラマの続編を(竹林軒出張所『山田太一のドラマ、5本』参照)。
 前も書いたが、10本といわず15本でも20本でもベストのランキングを作ることができるが、今回もとりあえずの5本。『午後の旅立ち』や『チロルの挽歌』は相変わらず見ていない。

 『男たちの旅路 第4部「第三話 車輪の一歩」』は、鶴田浩二主演のドラマで初めて「山田太一」という名前が冠についたドラマだったらしい。このドラマができたいきさつなどは『100年インタビュー』に脚本家本人が登場したときに語られていたので、そちらを参照されたい(竹林軒出張所『100年インタビュー 脚本家 山田太一(ドキュメンタリー)』)。初めてこのドラマを見たとき、僕は高校生だったが、突きつけられるテーマの重さとそれに対する明快な回答に目からウロコの思いがした。
b0189364_8523914.jpg 『今朝の秋』は老いと家族をテーマにした快作。レビューは先日書いたのでそちらをどうぞ(竹林軒出張所『今朝の秋(ドラマ)』)。
 『シャツの店』も鶴田浩二主演のドラマで、鶴田浩二がシャツの仕立て職人になるという珍しい設定の作品。ある夫婦とそれを取り巻く人達の、ときに哀れでときにユーモラスな人間模様が楽しく、セリフが非常に面白かったという記憶がある。
 『夏の一族』は、渡哲也が肩たたきにあう研究員の役を演じるという、こちらも異色の設定である。この渡哲也演じる元研究員と、娘を演じる宮沢りえとが対立するシーンで繰り出されるセリフが素晴らしく、それだけでこのドラマの価値があると言える。もちろんストーリーもよくできていて、藤岡琢也や柳沢慎吾との絡みも面白い。テーマはホームドラマ的だが、当時の世相も反映していて、なかなかの快作である。
 『深夜にようこそ』は、放送時に1回見ただけで記憶は乏しいが、見たときのインパクトが大きく、なんといってもドラマチックな見せ方に魅せられた。深夜のコンビニに新入りバイトとして入ってきた謎の男を千葉真一が演じるが、どう見てもものすごい遣り手企業人にしか見えず、なぜコンビニのバイトなんかしているのか謎……といった展開である。『春の一族』なんかでも同じように主人公の正体を隠したままドラマを展開させているが、こういったパターンのドラマは見る側を惹きつける上で効果的ではある。山田太一もちょくちょくこういった「謎」を利用したドラマを書いているが、確かに面白い作用を生みだしていて、『深夜にようこそ』はその代表と言っても良いかも知れない。
b0189364_853857.jpg 最後は言わずもがなの代表作『ふぞろいの林檎たち』で、その後第4シリーズまで作られたほど人気が高かった。いかにも連続ドラマという展開の群像劇で、この最初のシリーズと第2シリーズが特によくできていた。第3シリーズはほとんど記憶がなく、第4シリーズは、よくできてはいるがちょっと行きすぎだったような印象がある(第4シリーズについては山田太一自身あまり乗り気ではなかったという話を聞いたことがある)。

 で、今回紹介したドラマは、『深夜にようこそ』以外すべてDVD化されているので、興味のある方はごらんいただきたいと思う。最近、山田ドラマのDVD化が結構進んでいて(山田作品以外のドラマもそうだが)、ファンとしてはうれしい限り。といってももちろんDVDを買ったりすることはなかなかできないのでどうしてもレンタル頼みということになるんだが、有名作以外にもDVD化されているせいか、レンタルに入ってないものも多くなってきた。買うかどうするかちょっとしたジレンマもある。もう少し気軽に見れるようテレビの再放送を増やしていただくとかできないものかと思うんだが。

参考:
竹林軒出張所『山田太一のドラマ、5本』
竹林軒出張所『100年インタビュー 脚本家 山田太一(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『テレビがくれた夢 山田太一 その1(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『テレビがくれた夢 山田太一 その2(ドキュメンタリー)』
竹林軒出張所『その時あの時の今 私記テレビドラマ50年(本)』
by chikurinken | 2013-04-27 09:02
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