ボクシング界のぶっちゃけ話
畑山隆則著
宝島社
「ぶっちゃけ」というより
畑山隆則の半生記
一昨日の
竹林軒出張所『大相撲のぶっちゃけ話(本)』同様、宝島社の「業界ぶっちゃけ」シリーズ。他に愛甲猛の『球界のぶっちゃけ話』がある。
著者は、元WBA世界チャンピオンの畑山隆則。「ぶっちゃけ」と名うっているが、メインは著者のボクシング時代の話で、「裏話」的な要素は少ない。ファイト・マネーとか、ジムとの関係、ボクシング興行のあれこれ、トレーニングや減量などが「裏話」的な話になるが、世間で割合知られていることが多いように思う。大相撲の方が秘密主義が徹底しているせいか、『大相撲のぶっちゃけ話』よりもトリビア話は少なかった。
そういうわけで、多くは畑山のボクシング時代の回想話で、ボクシング好き、畑山好きなら別だが、裏話を期待しているそれ以外の読者にとっては少々もの足りないかも知れない。もちろん、それはそれで面白い話が多いが、どうも自慢めいた記述も多く、そういう部分少し辟易する。チャンピオンにもなった人で、しかもかなり人気もあった人なんだから、今さら自慢は必要ないんじゃないかとも思うが、抑えが効かなかったんだろうか。文章は非常によく書けているんで、もしかしたら聞き書きかも知れない。
★★★
参考:
竹林軒出張所『大相撲のぶっちゃけ話(本)』