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竹林軒出張所

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『ジェイン・オースティンの読書会』(映画)

『ジェイン・オースティンの読書会』(映画)_b0189364_7234897.jpgジェイン・オースティンの読書会(2007年・米)
監督:ロビン・スウィコード
原作:カレン・ジョイ・ファウラー
脚本:ロビン・スウィコード
出演:キャシー・ベイカー、マリア・ベロ、エミリー・ブラント、エイミー・ブレネマン、ヒュー・ダンシー、マギー・グレイス

 ミニシアター系の硬派な映画かと思って見始めたが、ごく普通のハリウッド映画だった。『セックス・アンド・ザ・シティ』みたいなノリと言って良いのだろうか(『セックス・アンド・ザ・シティ』見てないので何とも言えないスが)。ジェイン・オースティンの読書会を数人の女性が月1で開き、そこで価値観をぶつけ合うというストーリーだが、もちろんそんな地味な話で終わったら硬派な映画になってしまうんで、あくまでこれは入れ物に過ぎない。それぞれの女性の生き様が映画の中心で、高校生と不倫しそうな高校の先生とか、同性愛の女性、夫の不倫で離婚したばかりの女性とか、そういう人達の生活が映画の柱になっている。そういうわけでストーリーは割にありきたりである。
 読書会ではジェイン・オースティンの作品6本が取り上げられるが、なにぶんオースティンの小説は読んだことがないので(『プライドと偏見』を映画で見ただけ。ただし劇中で「映画と原作は違う」と言われてしまう)、話されている内容もよくわからないし、登場人物の生き様とそれぞれのストーリーが何となく重なっているようなんだが、その辺もよく理解できなかった。
 ただそういう細部はともかく、ストーリーは、ロマンスの成就、夫の愛の再確認などと、適当なところに落ち着いて、少々安直ではある。安っぽいハーレクイン・ロマンスみたいな印象も受ける。そういえば映画版の『プライドと偏見』を見たときも「ハーレクイン・ロマンスみたい」という印象を持っていたが、そもそもジェイン・オースティンの作品自体がそういった傾向を持っているのか。であるならば、「ジェイン・オースティン」ということでこの映画に興味を持った人にとっては、これ以上ないストーリーといえるのかも知れない。そういうわけでジェイン・オースティンとかハーレクイン大好きな女性にとっては格別な映画になっている……かな。
★★★
by chikurinken | 2012-09-01 07:25 | 映画
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