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竹林軒出張所

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『間諜X27』(映画)

間諜X27(1931年・米)
監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ
脚本:ダニエル・N・ルービン、ジョセフ・フォン・スタンバーグ
出演:マレーネ・ディートリッヒ、グスタフ・フォン・セイファーティッツ、バリー・ノートン、ヴィクター・マクラグレン

『間諜X27』(映画)_b0189364_7182736.jpg 第一次大戦時、オーストリアの諜報部に一人の娼婦がスパイとしてスカウトされる。X27というコードネームで呼ばれるこのスパイ、女を武器にさまざまな任務をこなす優秀なスパイになる。ただ女であることから恋愛感情なども芽生え葛藤が生じるというストーリーで、なんとなく往年のドラマ、『キイハンター』を彷彿させる。もちろんこちらの方がずっと前の映画で、ああいったスパイ関連のドラマというのは、この映画に多大な影響を受けているんじゃないかと思わせる、そういう内容である。ちなみに『キイハンター』のテーマ曲、「非情のライセンス」の歌詞はこんなの。

ああ あの日 愛した人の
墓に花をたむける あした
ああ きのう恋して燃えて
きょうは 敵と味方の二人
恋も夢も希望も 捨てて
命賭ける 非情の掟
ああ だから ああもっと もっと 愛して
(作詞:佐藤純彌、作曲:菊池俊輔、歌:野際陽子)

まさしくこの映画のストーリーを要約しているような歌詞である。
 美貌の女スパイは、マレーネ・ディートリッヒが演じている。他の役者もなかなか個性的で良い。スパイ映画といっても単なるアクション映画ではなく(というよりまったくアクション映画ではない)、反戦色を前面に打ち出した映画で、ルイス・マイルストン監督の『西部戦線異状なし』に通じるようなメッセージ性もあった。
★★★☆
by chikurinken | 2012-08-18 07:20 | 映画
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