ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

『恐怖の報酬』(映画)

恐怖の報酬(1953年・仏)
監督:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
原作:ジョルジュ・アルノー
脚本:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー、ジェローム・ジェロミニ
出演:イヴ・モンタン、シャルル・ヴァネル、ペーター・ヴァン・アイク、フォルコ・ルリ、ヴェラ・クルーゾー

b0189364_757098.jpgネタバレ注意!

 中米のとある町に集まった社会の底辺の人々。職はなく何とか食いつないでいる生活で、未来もない。人々はこういう現状から何とか抜け出したいと思っているが、そこへ降って湧いたのがニトログリセリン運搬という危険な仕事である。報酬は2000ドルと破格で、この生活から抜け出す上で十分。ただし、ニトログリセリンであるため、少しでも振動を与えるとトラックごと木っ端微塵という、まさに命がけの仕事である。この仕事に4人の労働者が志願し、ニトログリセリンの運搬を試みる。行く手には数々の困難が待ち構え、全編ハラハラドキドキの展開でいかにも映画らしい映画と言える。ハラハラドキドキの部分もむろん面白いが、個人的には序盤の底辺の生活に非常に興味を持った。貧困にまみれた生々しい生活が、白黒のコントラストの効いた画面に映し出されて、実に見事である。リマスターされた画面も非常に美しく、マグナムの写真を見るかのごとくで、芸術性も非常に高い。
 子どもの頃、『キイハンター』などのドラマでニトログリセリンがやたら出てきて、ニトログリセリンは危険なものという認識が子ども心にも定着していたが、その元々の出所はおそらくこの映画だったんだろう。もちろんこういったドラマの作りはこの映画には到底及ばない。この映画は特にストーリーが非常にしっかりしていて、おそらく原作があるんだろうと思いながら見ていたが、案の定原作ものだった。ストーリーがしっかりしているために映画全体も引き締まっていて、隙がない印象である。
 主演は「枯葉」のイヴ・モンタン、役名はマリオである。ちなみにマリオの元・相棒を演じるフォルコ・ルリの役名はルイジで、マリオブラザーズのルイジ(およびマリオ)に風貌が少し似ている。ただしこの映画と「マリオブラザーズ」に関連性があるのかどうかはわからない。
★★★☆
by chikurinken | 2012-05-08 07:57 | 映画
<< 『アメリカが見たカストロ』(ド... 『しあわせの国 青い鳥ぱたぱた... >>