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竹林軒出張所

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『さよならの夏 〜それはルフラン 頭の中で響くの〜』

さよならの夏〜コクリコ坂から〜
(シングル『さよならの夏〜コクリコ坂から〜』に収録)

b0189364_903171.jpg歌:手嶌葵
作詞:万里村ゆき子
作曲:坂田晃一

光る海に かすむ船は
さよならの汽笛 のこします
ゆるい坂を おりてゆけば
夏色の風に あえるかしら
わたしの愛 それはメロディー
たかく ひくく 歌うの
わたしの愛 それはカモメ
たかく ひくく 飛ぶの
夕陽のなか 呼んでみたら
やさしいあなたに 逢えるかしら

だれかが弾く ピアノの音
海鳴りみたいに きこえます
おそい午後を 往き交うひと
夏色の夢を はこぶかしら
わたしの愛 それはダイアリー
日々のページ つづるの
わたしの愛 それは小舟
空の海をゆくの
夕陽のなか 降り返れば
あなたはわたしを 探すかしら

散歩道に ゆれる木々は
さよならの影を おとします
古いチャペル 風見の鶏(とり)
夏色の街は みえるかしら
きのうの愛 それは涙
やがて かわき 消えるの
あしたの愛 それはルフラン
おわりのない言葉
夕陽のなか めぐり逢えば
あなたはわたしを 抱くかしら

 映画『コクリコ坂から』(竹林軒出張所『コクリコ坂から(映画)』参照)を見て以来、「さよならの夏」ばかり聴いている。映画の手嶌葵版(iTunes Storeで購入)はもちろんだが森山良子版もね。聞き比べてみると、手嶌葵版はつくづくこの映画に最適化されていることがわかる。ノスタルジーをかき立てるような歌唱と編曲で、映画主題歌として非常に優れているように思う。映画はもう一つだったが。
 最初に手嶌版の「さよならの夏」を聴いたときは気付かなかったが、手嶌版には森山良子版にない2番(「だれかが弾く……」)が追加されている。なんでも今回映画化に当たって、ジブリが作詞家の万里村ゆき子に新たに2番の追加を依頼したという(どこで得た情報かは不明)。この詞自体も大変面白い。1番から3番まで同じ箇所で同じような接尾辞が繰り返されるなど、なかなかうまいもんである。もっとも詞の意味についてはもう一つよく伝わってこないようなところもあり、今までさんざん聴いているにもかかわらず、なんとなくぼんやりとした状態が続いている。
 この歌の魅力はやはりなんと言っても坂田晃一の曲で、上下に波のように浮遊するメロディーラインが海を想起させる(そういう意味でもこの映画によく合っていた)。当時、坂田晃一はこういったリリカルな曲をたてつづけに作っており、「さよならをするために」、「冬物語」、「目覚めたときには晴れていた」(どれも日本テレビのドラマのテーマ曲になった)と並ぶと、この作曲家の傾向が見えてくるような気もする。他にも「おしんメインテーマ」や「おんな太閤記」、「春日局」などのドラマのテーマ曲も坂田晃一が手がけている。朝倉理恵が歌った「さよなら、今日は」(これも日本テレビのドラマ・テーマ曲)というのもある。こうして見ると「さよなら」がやけに多いような気もするが、詞を担当したのはどの曲も別人で、坂田晃一がそれぞれの詞に関わったかどうかはわからない(他にも沢田亜矢子の「さよならの行方」という歌も坂田晃一作曲らしい。ただし聴いたことはない)。
 なお、森山良子の「さよならの夏」は『70’s TVヒッツ・コレクション Vol.2』、手嶌葵版はシングル『さよならの夏〜コクリコ坂から〜』『コクリコ坂から歌集』に収録されている。

参考:
竹林軒出張所『母をたずねて三千里 完結版(ドラマ)』
YouTube『森山良子 さよならの夏』
YouTube『「コクリコ坂から」予告編』(手嶌葵の歌が背景に流れる)
by chikurinken | 2011-07-23 09:07 | 音楽
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