ブログトップ | ログイン

竹林軒出張所

chikrinken.exblog.jp

『忍ぶ川』(映画)

b0189364_8393080.jpg忍ぶ川(1972年・東宝)
監督:熊井啓
原作:三浦哲郎
脚本:長谷部慶次、熊井啓
出演:加藤剛、栗原小巻、永田靖、井川比佐志、岩崎加根子、信欣三

 三浦哲郎の芥川賞受賞作品『忍ぶ川』を映画化したもの。自伝的な小説なんだろう、おそらく。
 前にこの映画を見たのは学生の頃で、そのとき正直なんじゃこりゃと思ったのだが、今見るとまた印象も大分違う。
 知らない男女が知り合って結ばれるというメロメロのメロドラマで、前回見たときはそれだけの映画だと思っていたんだが、この年になって見ると主人公の二人の背景の重さに共感でき、単なるメロドラマで終わっていないことに気付く。こういうのはこちらもさまざまな経験を経たからこそよくわかるというもの。
 家族や人間の宿命というものが色濃く打ち出されており、運命に翻弄される人々の再生の物語になっていて、モチーフである恋愛が「苦難からの再生」の表現になっている。とは言え、全編を通じて過剰なまでに繰り出されるメロドラマ的要素にはちょっと辟易する。もちろんこのあたりがこの映画の人気の背景であることは重々承知しているけども。若い二人とは言え、ちょっとやり過ぎかなと思うのだな。苦難を通じて到達した生の喜びを表現するという意味で必要なのはわかるんだがね。
 栗原小巻が美しく魅力的で、加藤剛もかっこよろしい。キャストもこの映画の魅力になっている。モノクロ映像も美しい。
★★★☆

参考:
竹林軒出張所『日本の熱い日々 謀殺・下山事件(映画)』

by chikurinken | 2011-06-19 08:40 | 映画
<< 『プルトニウムの恐怖』(本) 『リーマン予想 天才たちの15... >>