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竹林軒出張所

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『ドイツ零年』(映画)

ドイツ零年(1948年・伊)
監督:ロベルト・ロッセリーニ
脚本:ロベルト・ロッセリーニ、カルロ・リッツァーニ、マックス・コルペット
出演:エドムント・メシュケ、エルンスト・ピットシャウ、バーバラ・ヒンツ

b0189364_8294259.jpg 一般的にイタリアン・ネオリアリズモの映画は好きだが、どうしてももう一つ好きになれないのがロッセリーニである。もっともロッセリーニと言えば、ネオリアリズモの代表みたいな存在である。また『無防備都市』、『戦火のかなた』、『ドイツ零年』のネオリアリズモ三部作は、どれも世間一般の評価が高い。ただ僕個人とすれば、『ドイツ零年』以外の2作をこれまで見ているが、どちらも途中で疲れてしまって眠くなった(『戦火のかなた』は10分ほど眠った)。とは言うものの傑作の呼び声が高い作品群であり、『ドイツ零年』もいずれ見てみようと思っていたところだった。
 で、その『ドイツ零年』であるが、やはり『無防備都市』と『戦火のかなた』同様、途中で疲れて眠くなった。ほとんどロケで撮影されたと言うモノクロ映像は、ドキュメンタリー・タッチで味があるのだが、ただ始めから終わりまで見ていると、流れが悪く感じる。流れが悪い上、メリハリが乏しいこともあって、そのせいで眠くなるんだと思う。
 何でもロッセリーニは、アマチュアのキャストを使い、セリフも現場で考えるというアドリブ重視の方法で撮影したという。おそらくドキュメンタリー調の味を目指してのことだと思うんだが、こういう撮り方をしていれば、どうしても行き当たりばったりみたいなところが出てくるんじゃないかという気がする。全体をトータルで構築しない限り、整合性に欠けた冗長な展開になるのは致し方ないところで、その辺がロッセリーニ持ち前の退屈さにつながっていると、今回あらためて感じた。どれも映画史に残るような名作と言われており、今さら僕がいろいろ言うこともないのだろうが、しかしこれが正直な感想である。『無防備都市』と『戦火のかなた』についてはもう一度見直してみようと思っているが、多分同じような感想を抱くんじゃないかとも思っているのだ。
 さて、本作は、他の作品と異なり、ドイツが舞台である。キャストもドイツ人風の風貌なのでドイツ人ではないかと思うが、言語はイタリア語である。アフレコで吹き替えられているのかも知れないが、少し違和感がある。最初から最後まで、戦後ドイツの瓦礫の町が画面に広がり(生の戦後ドイツの映像)、非常に迫真的である。また、配給や間借り生活など、当時のドイツの生活も非常によく再現されていて、そのあたりはリアリズム映画ならではである。そういうわけで見所はいろいろあった。が、やはり通して見るとなると疲れる。それは間違いない。また、ストーリーについても、安直というか、やや単純に過ぎるきらいがある。というわけで、僕はロッセリーニを手放しで褒め称えることはできないのだった。
★★★

参考:
竹林軒出張所『無防備都市(映画)』
竹林軒出張所『戦火のかなた(映画)』

by chikurinken | 2011-02-09 08:30 | 映画
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