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竹林軒出張所

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虎だ! お前は虎になるのだ!

 世の中タイガーマスクばやりだが、このご時世に一服の清涼剤みたいなさわやかさを残してくれる良いニュースであった(そろそろ終結しそうな感じではある)。
 便乗者がいっぱい出たというのも、日本も捨てたものではないなと思わせるような、ま、何とも心持ちがよい便乗である。
 なんといっても最初にやった人が「伊達直人」を名乗ったのが良かった。僕の世代は「伊達直人」という名前には敏感に反応する。「恵まれない子ども達のために奮闘し、そのために命を狙われることになってもそれに屈せず闘う正義の人」というイメージがすぐに甦り、そのバックに「みなしごのバラード」の悲しいメロディが流れるのだ。クーッ!
b0189364_10383240.jpg 僕なんかは、特にタイガーマスクで育った人間といっても過言ではなく、『タイガーマスク』が連載されていたマンガ雑誌『ぼくら』は毎月購読していた。月刊『ぼくら』が週刊『ぼくらマガジン』に変わったときも憶えており、同じ頃に『タイガーマスク』がアニメとしてテレビ放映されることになった。『ぼくらマガジン』創刊号の表紙も憶えており、「みなしごのバラード」の歌詞が掲載されていたことも記憶している。アニメ版の『タイガーマスク』は、マンガ版と絵が大分違っていて、しかも線が汚かった印象があり、最初は「ちょっと無理」という感じであったが、(僕みたいな)子どもにとってマンガ版よりも内容がわかりやすかったこともあり、次第に気持ちはアニメ版に移っていった。特に劇的だった最終回はおそろしく印象的で、いろいろなシーンをかなりはっきりと憶えていた。実はその後、中学生時代と浪人時代にほとんどの回を再放送で見たんだが、アニメ版『タイガーマスク』の印象は、年齢が上がっていくほどキョーレツであった。
 浪人時代なんか、予備校の寮の同級生ほぼ全員でテレビの前に集まって毎回見ていたのだ(ちょうど夕食時だったため、夕食を交えての鑑賞会が行われていた)。話の内容はかなり荒唐無稽だが、しかしそのストーリーの世界の中で整合性がとれている(これがリアリティというものである)ため、見ていてまったく気にならない。それどころか、あまりに不気味な描写にたじろいだことがあるほどである(「赤き死の仮面」の登場シーンなど)。
 そういうわけで『タイガーマスク』が僕の中で確固たる地位を占めているので、「伊達直人」という名前を久々に新聞で見て、僕も少しウルウルきたのである。だから、便乗した人の気持ちはよく分かるような気がする(僕はしないけど)。こういった気持ち良いニュースが毎日羅列されると、良い気分になるというものだ。かれらの善意は、プレゼントを贈られた人々だけに向いているのではなく、僕のような無関係のギャラリーにも向けられているのだ。僕も善意を皆さんに分けられるようがんばります……という気持ちにさせてくれる。佳き哉……である。

参考:
竹林軒出張所『タイガーマスクW(アニメ)』

by chikurinken | 2011-01-14 10:40 | 社会
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