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竹林軒出張所

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『ちいさな言葉』(本)

b0189364_7485353.jpgちいさな言葉
俵万智著
岩波書店

 歌人の俵万智のエッセイ集で、初出は短歌雑誌(前半)と新聞(後半)。内容は『たんぽぽの日々』と重複しているが、かぶっているネタはない(たぶん)。ただしこちらの方は歌が少なめ。
 文章が美しく、視点が鋭いが、エッセイであるため、力を抜いて気楽に読むことができる。今の感覚からいくとブログみたいな感もあるが、子どもに対する視線が優しく、暖かくなる。母親の、小さい子どもに対する視線は、他の人が書いたものも含め、接している時間が長いためかいつも暖かく鋭いなあと感じる。
 前半部分は「ちいさな言葉」という副題が付いており(おそらくこちらがメインということになるだろう)、子どもから発せられる言葉に対する驚きや発見が中心に書かれていて、このあたりは著者ならではの視点で面白い。後半部分の副題は「木馬の時間」で、著者の自作歌「揺れながら前へ進まず子育てはおまえがくれた木馬の時間」から来ている。あとがきで「おまえの成長の記録だよと、いつか息子に手渡してやりたいと思います」と書いているが、まさにそういった内容で、愛にあふれた著書である。親の愛ってありがたいなあと素直に感じられる本であった。
★★★

参考:
竹林軒出張所『生まれてバンザイ(本)』
竹林軒出張所『たんぽぽの日々(本)』
竹林軒出張所『短歌をよむ(本)』
竹林軒出張所『本当はちがうんだ日記(本)』
竹林軒出張所『日本語ぽこりぽこり(本)』

by chikurinken | 2010-10-14 07:49 |
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