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竹林軒出張所

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CM曲のCD

CM曲のCD_b0189364_10414687.jpg 最近コマーシャルソングを集めたCDが巷にあふれているが、いったい誰がこんなもの買うんだと思ったあなた……それはアタシです。
 と言っても買うのはごくたまで、もっぱらほとんどレンタルで済ましている。ま、僕ぐらいの世代でしかもお金を持っている(僕は持ってませんが)人々が買うんでしょう。
 なぜこういうものを欲しがるかというと、懐かしさ……ただその一言に尽きる。
 僕も随分いろんなコマソンCDを集めたが、やはり例によって玉石混淆で、面白いものもあればひどいものもある。ここで紹介するものには、Amazonのリンクも付けておくので、興味のある方は曲目など参照されたい。
 粒ぞろいという意味で優れているのは、『懐かしのCMソング大全』シリーズ(1〜5)である。有名なCMソングを時間軸で区切ってまとめたもので、ヒットCM曲が大集結しており、しかもすべてオリジナルである。この「オリジナル」という点が非常に重要で、この類のCDの中には、リミックスなどと称して、まったく違うアレンジの(というかまったく別物の)曲が並んでいるものもある。「懐かしさ」がまったくなく、ガッカリ度100%である。こういうものは論外(例:『ベストCM 100』←買ってはいけない)。
 最近では、作曲家や作詞家別にCM曲を集めたコンピレーションCDも多くなってきた。相当マニアックなものまであり、あまり万人向けではない(もちろん僕向けでもない)が、このような傾向は多様さという点で歓迎したい。このようなシリーズの先鞭を付けたと思われるのが『小林亜星CMソング・アンソロジー』で、サントリーオールドの「人間みな兄弟」(「ランランディダン・シュビダデ」と歌われるアレです……わかります?)をはじめ、粒ぞろいの曲が並び、氏の才能の一端が垣間見られる。
 『浪花のモーツァルト キダ・タローのすべて』というアルバムもある。これはCM曲限定ではないが、キダ・タローの場合CM分野の曲が多く、このアルバムにも多数収録されている。「出前一丁」、「かに道楽」、「有馬兵衛 向陽閣」あたりが有名で面白い曲。
 昔のCM曲をいろいろと集めてみると、あまり聴いたことがない名前であるにもかかわらず、ちらほら目にする歌い手が何人か出てくる(楠トシエ、伊集加代子、シンガーズ・スリー、スリー・グレイセスなどなど)。(他にも天知総子や浜口庫之助という名前もよく目にする。こちらは有名)。
 中でも伊集加代子という人は、「スキャットの女王」の異名を持っている人ということで、最近、僕自身も興味を持っている歌手である。一番有名なCM曲はネスカフェの「ダバダー・ダーバ・ダバダー・ダバダー(違いがわかる男のネスカフェ・ゴールドブレンド……)」というやつだろうが(「めざめ Awakening」という曲)、他にも「あれもそうこれもそう」という具合で、歌っているCM曲は非常に多い。CM曲以外にも、アルプスの少女ハイジのオープニング曲の「おしえて」とか、アタックナンバーワンのエンディング曲「バン・ボ・ボン」なども伊集加代子が歌っている。伊集加代子については、いずれこのブログで触れることもあるだろうが、現在僕がもっとも注目している歌手の1人である(といってもすでに相当年配な方で大ベテランですが)。
 こうして見てみると、CM曲もなかなか奥が深いものである。なんといっても、日本の商業主義の中心でありつづけているわけだから……。その後の日本の音楽市場への影響も非常に大きいのは言うまでもない。

参考:
竹林軒『アセイ、ザ・グレイテスト!』
竹林軒『パクリのうたが聞こえてくるよ……ゲロッゲロッ』
竹林軒出張所『CDを買うのにさんざん躊躇していたがいよいよ買っちゃったという話』

by chikurinken | 2009-11-13 10:43 | 音楽
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